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「Aのお母さんは衝撃的な死に方をすることによって、お前が自分を忘れさせないようにした。結果そうなってる。もちろん手紙に書いてあったことも正しいと思うけど」
ああなるほどと納得してしまう。
あのままだったら母はきっとひっそりといなくなっていたことだろう。
結果的にあの人は私にインパクトを残して消えた。
「でもさ、それ間違ってるよね。娘に人殺しだと感じさせることがベストだったのかね。冷たい態度を取られたのだって自分の報いでしょ」
丁度母の墓の前に来た。
先生は冷たい調子だった。
「先生？」
「ああ、悪い。Aが怒らないから怒った」
笑ったのでホッとする。
先生は笑顔が良い。
「お供えしようか」
線香と花を供えて手を合わせた後、先生が口を開いた。
「改めまして。一度お会いしたことありますよね？Aさんの担任だった櫻井翔です。Aさんとお付き合いするようになったので報告させていただきます」
先生の通る声が私の胸に響いてく。
「正直Aさんはあなたに大切にされてたかどうか不明です。彼女は沢山傷ついてると思います。だから僕がAさんを大切に大事にしますのでよろしくお願いします」
その真摯な言葉は琴線に触れて、思わず先生のシャツの裾を掴む。
「Aから何かある？」
「……くれぐれも邪魔しないでね」
「何それ」
先生は笑ったけどこれが私なりの温情を混ぜ込んだ言葉だ。
きっと母と娘というよりは女と女であったんだろうから。
元来た道を引き返す。
再び繋がれる手にもうびっくりはしない。
「A」
「はい」
「勝手にこの世からいなくなんないでね？」
「どうして急に」
「急に、ではない。昔からAは油断したら消えそうだった」
「そんなこと言ったら先生だって」
儚くて消えそうで綺麗なか細い月のようだった。
「先生も勝手に一人でいなくならないで下さい。逆に私が消えそうだったら食い止めて下さい」
「いいよ。じゃあ俺がそうなったら引き留めて。もし堕ちるんだったら一緒にね」
そう言う先生の顔はどんな人よりもかっこ良くて、胸が跳ねる。
「……想われてるんですね、私」
照れ隠しの言葉が先生の眉を上がらせた。
「この2日間伝わってなかった？俺の愛」
繋がってない方の先生の手が私の輪郭を滑り、顔が近付いてくる。
外でなんて今更か。
愛が伝わる。
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ユタカ(プロフ) - さくさん» お熱いコメントありがとうございます！サクラサクラの頃から読んでいただいてるなんて有りがたき幸せです。月水晶の番外編ぜひお楽しみ下さい。ありがとうございます。 (2019年5月2日 10時) (
レス) id: a11f8fafa4 (このIDを非表示/違反報告)
さく(プロフ) - (続)他の作品もですがサクラサクラと月水晶を何度も読み返していたのでこの続編はめちゃめちゃに嬉しいです！続きも楽しみにしています！長々と失礼しました笑 (2019年5月2日 10時) (レス) id: fce84e79e3 (このIDを非表示/違反報告)
さく(プロフ) - 初コメです！サクラサクラからずっとユタカさんの作品を読んでいました！トゥザで次は、、、というのを見た時にまさか！？と思ってワクワクしていた所に通知が！嬉しすぎてコメントしてしまいました！(続) (2019年5月2日 10時) (レス) id: fce84e79e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユタカ | 作成日時：2019年5月2日 10時
