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「二宮先輩」
ある厩舎での用事を終えて外に出るとAに声をかけられた。
こうして1対1になるのはあの時以来だった。
集団の彼女はいつも見てたけど。
「何？アカシなら次走有馬……」
「いや取材じゃないんです」
「えっ？」
Aは真っ直ぐ俺を見る。
その瞳に救われた。
「話があるので、今日空いてませんか？」
話？何だろうか。
一度振られてるだけに自信がなかった。
でも俺は今日空いている。
チャンスはあるのだろうか。
「空いてるよ。なんなら今からでも。どこで話したい？」
「二人で話せる場所なら……」
「じゃあ来て」
俺は近くに駐車していた車に乗り、Aも助手席に乗せる。
そしてトレセンの駐車場まで動かす。
これならきっと大丈夫。
「懐かしいですね」
Aが嬉しそうに言う。
「乗せてたな、こうして」
Aがジョッキーだった頃、助手席にこいつを乗せて二人でご飯を食べに行ったりしていた。
あの頃から特別であることは間違いなかった。
でもそれを恋と気付くのに時間がかかり過ぎた。
何やってんだか。
「で、話って？」
こう促すと同時にAを見ようとしたら袖を掴まれた。
「二宮先輩……」
「ん？」
「付き合って下さい、私と……」
頬を赤らめる彼女。
何可愛いことしてくれてんの。
「……いいの？」
一度振られてるだけに確信が持てなかった。
まさかそう言ってくれるなんて思いもしなかった。
Aは小さく頷く。
「先輩にキスされて、告白されてからずっと考えてました。私にとって二宮先輩は何なのか。悩んで悩んで思いました。先輩は特別、大事な人、だからこそ寄り添い合いたいって……」
もう我慢できなかった。
またその柔らかい唇にキスが出来るなんて思わなかった。
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ユタカ(プロフ) - むにゃむにゃんさん» 読んでいただきありがとうございます。そう言っていただき誠に光栄です。ぜひ競馬場に行ってみて下さい。サラブレッドかっこいいですよね。 (2019年5月2日 8時) (
レス) id: 442d8bbd1b (このIDを非表示/違反報告)
むにゃむにゃん(プロフ) - アカシ〜！きっと勝ってくれると思いながらもドキドキしながら読ませていただきました。昔行った競馬場で見たサラブレッド達のキラキラしたオーラが忘れられません。また中山に行きたくなりました。素敵なお話しをありがとうございました。 (2019年5月2日 1時) (レス) id: 5224fbc573 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユタカ | 作成日時：2019年2月27日 9時
