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Four years later
「お疲れ様です」
「飯塚さん、お疲れ様です」
「明日もよろしくね」
スタジオの廊下を出たら駐車場。
馴染みの黒塗りの車に乗り込む。
「帰りますか」
雅紀くんは4年経っても笑顔が変わらない。
「うん」
「今日は真っ直ぐ家でいい？」
「うん。明日9時に入りだよね？」
あれから4年の春。
私は大学を卒業し、ようやく女優一本の道を歩き始めた。
それで早速4月クールの連ドラを絶賛撮影中だ。
恋愛モノで、私は現実主義のOLを演じる。
大学に入っても、学業と芸能活動を両立してきた。
単位を落とさぬように授業に出席し、試験やレポートに取り組んだ。ゼミにも参加した。
その隙間に映画、ドラマ、CMなどの仕事があり、しんどいときもあったけれど、付加価値は自分で手に入れるしかないから乗り切った。
4年で卒業できたなんて凄いと方々で言われ、大学卒業後ようやく女優一筋になったことが理由かオファーはひっきりなしにあるという。
社長と雅紀くんが捌いてくれてるというが、ありがたいことだ。
飯塚Aは変わったなんてよく言われるし書かれる。
これでも輪を広げたほうだ。
二宮くんと潤くんとは相変わらずだが、大学でも一般人の気の合う友達に出会ったし、女性の同業者とも仲良くなれるようになった。
それは私の色をつけるために。
だって凄い女優になるって言われたから。
今でも大好きな人に。
でも私はその大好きな人を忘れようとした。
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作者名：ユタカ | 作成日時：2018年10月17日 9時
