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まずは二宮くんと回ることに。
二宮くんと歩いていると彼のお友達がやって来る。
「ニノ飯塚Aと付き合ってんの」
「うわ初めて間近で見た」
「ねえ付き合ってんの」
こう口々言われると二宮くんはさりげなく私を後ろに隠し。
「付き合ってねえって。今飯塚Aのボディーガードしてんの」
「こいつじゃ頼りないって」
「俺たちと回ろうよ、飯塚さん」
「駄目駄目。こいつ人見知りだからさ。お前らの相手は明日してやるよ」
二宮くんは私の背中をドンドンと押し、彼へのブーイングを背に進む。
「A、何やりたい？」
「朝早かったからお腹すいてる」
「そっか。今日ドラマ最終回か。9時までに帰らなきゃ」
「録画でいいのに」
「アホ。ずっとリアタイで見てるから最終回もリアタイすんだよ」
二宮くんはありがたい視聴者だ。
「女優はジャンクフード大丈夫なの」
「食べたい」
「焼きそば食うか」
私達は焼きそばのクラスに入った。
「あれ飯塚Aだよ」
「ホントだー。隣にいるのは？」
「軽音の二宮先輩だよ。二人付き合ってるのかな？」
「でも飯塚Aって松本潤と付き合ってるんじゃなかったっけ」
聞こえてくるのは雑音。
二宮くんも人気なんだなと向かいに座る彼を見る。
「背中にボディーガードって書いて貼っとこうかな」
二宮くんは愚痴る。
焼きそばが紙皿に乗ってやって来た。
「ごめんね」
「お前は平気なの」
「雑音が入るのが仕事だから」
私の仕事には雑音が常について来る。
これはもうしょうがないことだ。
「なるほどね」
「二宮くんもシンガーソングライターになったら常々そういうことが付き纏うと思う」
「俺自身は大丈夫。ただお前への雑音が気になるだけ」
「……ありがとう」
二宮くんは良い人だと思う。
こんな私に2年以上構ってくれてるんだから。
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作者名：ユタカ | 作成日時：2018年7月18日 9時
