病んでた。【d!】

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お城につくと、中から怒号が聞こえた。

「何でAが居らへんのやっっ！！
お前らを呼んだ訳ないやろ。俺はAに会う為だけにお前らの家族を招待しとるんや。感謝しろよなほんま。はぁ…執事！今すぐA連れてこい！！」

「…え？」

私…呼ばれてる？
門がぎぎぎ…と開き、執事と思われる人が出てきた。

「…ゾム様、A様がお見えですよ」
「！ほんま？」

たたたたと駆けてきたこの国の王子様。
ぎゅっと抱きつかれる。

「…へ？」
「はぁ…良い匂い。執事、舞踏会終わってええで。すぐ追い出して」
「承知しました」
「…え？」
「はあ混乱してるAもかあいい…んふ。部屋用意しとるから、案内するな？」
「え？…え？」

王子様に手を引かれ、用意されていたという部屋に案内される。

「初めまして、やんな？
俺はゾムっちゅーねん。この国の王子やっとる。
実はな、俺街でAに一目惚れしてん。それでどうしても話したくて、舞踏会開いてんけど…来てくれてありがとな」
「…は、あ」
「綺麗なドレスやなぁ。魔法使いが作ってくれたんやろ？」
「は、はい…」
「俺、Aが舞踏会に来れる様にして欲しいって予め頼んどいてん」
「はあ…」
「そんでな、Aには俺の嫁さんになって欲しいんよ」
「…！？！？え！？」

体を折りそうな勢いで抱き締められる。

「いたっ…」
「あ、すまん。取り敢えず移動しよか」
「…？」

ここじゃないんだ。
何だか頭が働かない。

「えへ、薬効いてきたなぁ…」

誰かが呟いた声が聞こえた。

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