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Question-1 ページ5

1話〜図書室にて〜

〜図書室〜

(さーて、辿り着いたのはいいが......
特にやることはないんだよなぁ。適当に本でも探して読むか)

思えば何故図書室に行こうなんて思ったんだろう。
まあ放課後に自由に立ち入れる教室もそんなにあるわけじゃないけどさ。
ぶつくさと独り言を脳内で潰しながらふらふらと歩き回る。

(せめて時間を潰すなら興味を持って読めそうなやつがいいな〜。
でもほとんど自分から本なんて手に取ったことがない俺が、
好き好んで読めそうな本なんてあるのか?)

そうして適当に図書室をうろつき始めて
10分は経過した頃のことだった。

『何か探している本があるのですか?』
「!」

唐突に声を掛けられた。
軽くびっくりして手に取ってた本を落としてしまっう。

『あ、すみません......』
「いや、これは俺の責任だ......」

そういえば誰だろう、という疑問が解決していないことを思い出す。
落とした本を拾うついでに声のする方向を振り返る。

『一冊で済んで良かったです......
ここの本棚建て付けが悪くなってるみたいで、
運が悪いと本棚ごと倒れることもあるんですよ』

そこにいたのは分厚い本を何冊も抱えている女子だった。
俺と同じ紅色の校章のバッジを付けているので、
どうやら2年生らしい。

さっきの奴とは違って、
"可愛い"というよりは顔立ちの整った"美人"という印象が強い。
眼鏡が似合いそうないわゆる"文学少女"っていう雰囲気がなんとなく感じられる。
図書委員だろうか?

「それってマズくないか?
こんだけの本が倒れてきたら死ぬような気がするが」
『......相談してるんですけど、なかなか進まないんですよ。
何かあったら、私の責任にもなりますし』

どうやら、予想通り図書委員のようだ。
少し渋い顔をしながら目線を少し逸らしている。
相当悩んでるんだな。

「大変だな......あ、そうだ。
何かオススメの本とかがあったら紹介してくれないか?」
『オススメの本......ですか』

そいつはちょっと考えたような顔をした後、
運んでる途中であろう本を脚立の上に置いた。
......さすがに突然こんなことを聞かれて答えるのは難しいよな。

『この図書室って"伝承"に関する本が多くて、
小説とかの本って結構......』
「待った!その"伝承"ってのに興味が湧いた。
いくつか紹介してくれないか?」

蕗は話を遮ってそう言った。

『......分かりました。こっちです』

その女子に案内されたのは、
図書室の端にある扉の奥の部屋だった。

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淀月九葉@修業中(プロフ) - まさかの急展開… (2016年5月10日 12時) (レス) id: c123e1c9e2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:じかみそ | 作者ホームページ:   
作成日時:2016年1月31日 17時

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