Evidence-1 ページ17
13話〜失くした影を追え〜
〜放課後 蕗の自宅〜
「...」
机の上を眺めながら考える。
あるのは西日に照らされているのに光らない、
昨日拾った錆びた小さな鍵だけだが。
蕗は参っていた。
今ある手掛かりはこの鍵だけ。他の手掛かりは全部消えてしまった。
...そう。"あいつ"も含めて。
あいつは確実に何かを知っていた。
いや、何も知らないにしてもあの呪いに何かしら関わっていたのは間違いない。
それに、あいつのあの悲しげな表情に何の意味もなかったはずがない。
なのに...あいつが消えていく所すらも見てやれなかった。
自分で手掛かりを捨てたんだ。
がたがた抜かしててもしょうがない。
...のは分かってるのだが。
「何をどうしたらいいんだ」
シリアス劇場閉幕。
続いて迷走劇場を上映致します。ご期待ください。
...ふざけてる場合か。
蕗の頭の中は随分賑やかなことになっていた。
「とりあえず考えてても仕方ないか。
一回行ってみよう。話はそれからだ」
これ以上考えたって頭がおかしくなるだけだ。
蕗は懐中電灯と傘を持って家を出た。
〜旧山道 午後4:33〜
「しかし2日連続山道は辛いな...」
昨日は気にならなかった傾斜や段差が妙に足にくる。
おまけに今日の持久走の疲労も今頃ガンガンきやがる。
こういう時のための体育なのか。
確かに呪いって体力ないと辛い。学習した。
...バカか。
「おっと...こりゃ凄いな」
蕗は足を止めた。
見えない境界線を挟んだ先にあったのは、
完全に"流された"森の跡地。
あれだけ暗かったこの場所に今は光すら当たり前のように射し込んでいる。
ここで間違いない。
"常雨の森"。その"
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淀月九葉＠修業中(プロフ) - まさかの急展開… (2016年5月10日 12時) (
レス) id: c123e1c9e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：じかみそ | 作者ホームページ：
作成日時：2016年1月31日 17時
