【男主】先生の師【五条悟】

至純 ページ6

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Aが突発的学力テストをした日の夜。悟は布団にくるまりながら、あの教師のことを考えていた。いや、教師というには些か乱暴で、模範から外れているが。


悟の周りの大人とはあまりにかけ離れている。悟が知っている大人というのは、大抵悟に媚びへつらって、強い口調で物を言えば逆らえない“家の人間”か、難しい理論ばかりを捏ねるジジイくらいしかいなかった。だのに、あの男ときたらまぁ、不遜もいいところだ。敬語は雑だし、障子は閉めないし、それに……。


並べる不満は尽きない。



はぁ、と大きなため息をわざとらしく吐いて、寝返りを打った。



「(女装させて踊らせようかな)」


勝ったらどうしようか。いや、勝つビジョンしか見えていないのだから、予定を立てるようなものだ。なんとなく悪趣味なことを思いついてみる。きっと、あの余裕そうなハットの下の笑みを崩せたら、あと1月は笑えそうだ。何にする？子供が顔を付き合わせて、落とし穴や秘密基地の話をするような。悟は、そんなことはしたことがなかったけれど。


そう思うと逆に、あの総合とかいう枠外乱闘が正解(あ)っているかどうかが気になりだした。
キャンプ中、山の中で雨が降り出した時に何をすべきか？知るか。ふつうに雨宿り一択だろ。しかし、逆に？これはどんな正解を求めているのか。
あの暗号はなんだったのか？数字がごちゃごちゃ並んだ紙切れ。あの右端の数列はヒント、とのことだったが。あれはキーボードで良かったのだろうか。


ぐるぐると思考は巡って。また、一眠りしたら答え合わせの時間になる。


いくら起きていてもわかんねぇしな、と。くだらないという言葉を置き換えて、目を閉じた。



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