尊きモノ 「銀魂 神威」

27強きモノ ページ29

『強くなりたいかい？』









村を守る事さえ出来なかった私。


天人の攻撃も防ぐ事が出来なかった私。





……何も出来なかった私。




そう、


強くなりたい。


大切な人を守れるくらい、強くなりたい。




でも、

神流『うるさい……急に現れて、

急に言われて。


もう、ほっといてよ。

私の事なんか何も知らないくせに』





そう返してしまった。



『そうか。なら』



少年は立ち上がり、私をじっと見た。



暗い顔で。




『どうしてそれ(涙)を流しているの』





気がつけば、目から何か出ていた。



これは何？

どうしてこんなモノが？





私は、ただ。




さっきまで睨みつけていた少年は、


また、優しく微笑んだ。




『おいで。一緒に行こう、俺と。



強く、もっと強くなるまでーーーー』



ーーーー
ーーーーーー




私はそうやって今、ここ(春雨)にいる。




神流は部屋に向かっていた。
春雨を出る準備をするのだ。



左腕につけられた、
青く輝くブレスレットを睨みつけた。



神流「こいつのせいで」





外したい。けど、外す事が出来ないのだ。


夜兎でも壊す事の出来ない強い力で

封じられているから。



村が天人に襲われ、なくなる前に


私は村人の一人に言われた。




村人「神流、

お前が持つその力は素晴らしい。
だが、すまないが、

お前のその力は この星にはいらないんだ。

みんな、『闘う事をせず』今まで生きてきた。


だから、お前の力は封印させてもらうよ。



分かってくれるね、神流」


そう言われ、

寝ている間にこの力は封印されてしまったのだ。



一生使えないように。



ーーーー
ーーーーーー


神流は部屋につき、荷物を詰めた。
春雨には脱出用の小さい船がある。


それを使ってここを出るんだ。




扉を開け、脱出用の船まで向かう。





が、その時。








二人の団員に足止めされてしまった……。

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