尊きモノ 「銀魂 神威」

23《過去篇》懐かしき人 ページ25

神流「って、あれ！？」


神流が振り向いた先にボスはいなかった。




神流「逃げるなんてなんて卑怯な……」



そんな事を思いつつ、静かに洞窟を出た。



これで、よかったんだ。



もう一度 振り返る。



そこには自分が倒した

あの部下達が倒れている。



静かに、時を止めて。






私は、間違っていない。
大丈夫、大丈夫……。



帰ろう、村へ。



ーーーーーーーー


神流が去った後、

物陰に隠れていたボスが姿を現し、

神流をジッと睨んでいた。




ボス「キレのある動き、あの肌、あの瞳…
あのガキ、夜兎か……。



ククク、やってくれるじゃねェか。

今に見てろよ…」



そう言うと、洞窟の奥深くに消えて行った。





あれから私は村に帰った。


すると大勢の村人が歓声をあげ、


私を迎い入れた。



そして、あの後残りの天人を引き連れ


孤星から出て行くボスの姿が目にうつった。






その目は怒りに燃えていて

孤星をもう一度見た後

どこかへ行ってしまった。





あの日から三年。





孤星は平和を取り戻し、

村人も自由に行動出来る様になった。



そんな時、

二十代の女性が私を訪ねてきた。



「あなたの隣にいさせて欲しい」




優しい瞳を向け、そう言う彼女に


どこか懐かしさを覚えたのだ。





その日から彼女は
私の後ろについて回るようになった。



名前は？ と聞くと、

一瞬戸惑いの目を向けたが、

「洸(こう)です。神流様」



と優しく返してくれた。



あなたの執事だと、強く言う彼女に

少し疑問は生まれたが


本人が良ければそれでいいと思い、

好きにさせる事にした。





二十代。


十六歳になった私より年上の人だが……。





神流「身長も私と同じくらいだね」


と言えば、


洸「私はこのくらいが丁度いいのです」




と返ってきた。






なんだろう、

私はこの人を知っている気がする。



声が似てるのか、

私が勘違いしてるのか。








その懐かしさを覚えた人、


洸は なぜか


私の後ろにいるのに、

とても光っていた。









まばゆい光で。

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