尊きモノ 「銀魂 神威」

24《過去篇》声 ページ26

あれから一年。

神流は17歳。




孤星に悲劇が起きる……。





今まで姿を見せなかった天人達が、

いや、正確に言えば 天人の船が

孤星の上を飛んでいるのだ。





神流「……」



言葉では説明できないほど
神流の身体が何かを感じている。





その時だった。






激しい爆発音が響き渡った。




そして、

一瞬にして村が真っ赤に染まったのだ。




夢？……いや、






紛れもなく現実。

村人が悲鳴をあげる。


神流は上をみた。





一番大きい船に乗った

見覚えのある人物が立っている。




天人のボスだ。

あの闘いから数年で姿を現したボス。




閣下と呼ばれる 痛々しい顔つき。





遠くからで見えにくいが、間違いなく
孤星を睨んでいた。黒い瞳で。




突然、
神流は

何かに取り憑かれた様に走り出した。




届くハズもない船を、ボスを倒すために。





後ろからは村人が逃げ回る声。


洸「神流様！今は村人の救助を！！

早くこちらにいらして下さい！



神流様ァァ…！！」





そして 執事の洸の声。



だが、神流の足は止まらなかった。


神流「倒さないと……

アイツを、あのボスを倒さないと！！」



洸の声にも、村人の声にも、

周りの状況にも気づかず ただ走り続けた。




洸の声がだんだん小さくなっていく。




その時は気づかなかった。






上から比べ物にならないくらいの



何かが飛んできた事に。







ーーーーーー


そして、

それを最後に神流の意識は


遠のいたのだった。







気づけば、黒に染まった村と、




ボロボロになった壁に もたれかかり、
座りこんでいる自分がいた。





私は、生きてる……？





ここは、どこなの。

なんでこんな事に。






そして、

目をつむろうとした時、誰かの足音と、

声が聞こえてきた。





「団長ー、

皆 死んでるよ。誰もいやしねぇ」


「そうか……ん？」






その声の主が足を止めた。
たぶん、私の前だろう。









「キミは？」

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