尊きモノ 「銀魂 神威」

15神威の説明 ページ17

阿伏兎「お、おい…どういうこった」


阿伏兎と 神威が見る先に神流は居た。
息を切らしながら、黒い顔で。

神威「どうしたの？怖い顔して。

なんかあったのかい？」


神威はニコっと笑いながらいうが、

神流の表情は変わらない。


と、神流が口を開く。

神流「やっぱり…おかしいと思ったのよ。

ついこの前まで 話せ 話せ、と言うと思ったら
私が帰れと言うと素直に帰るし」


神流は続ける。

神流「それに、
あのアルバムに入ってた封筒もなくなる始末。

でも、全て分かった。


団長。あなたが持ってたのね、

その封筒を」



神威「拾ったのは阿伏兎だけどね」

阿伏兎「黙りやがれ」



ボソッと交わす２人の声は
神流に届いてないようだ。



神流「それに、
無くなった事に気づいてから
団長と阿伏兎の姿は消えていた。

だから、あんた達が取ったとしか

思えなかったのよね」

そして手を出す神流。


神流「返して。その封筒は、その手紙は、
私の大切なモノなの。

……とは言っても、

全文読んだ人に返せって
言ったって意味ないんだけど」


神威は神流の顔を見た。
濁っているかの様に

その目は黒く、悲しげな顔をしていた。


神威「返す。だから 聞かせてくれよ。

どうして悲しい顔をしているの。
どうして教えてくれないの。


俺は神流の力になりたいと言っただろう」


神流「関係のない事よ。もう関わらないで」



……神威は最後の手段に出た。

先ほど 手にとっていた
《孤星》の本を棚から取り出し、

神流に見せつける。


一瞬、神流の目が見開いたようにみえた。


神威「コレ」

神流「…な、何」


神威が中を開けてあるページを開く。


神威「分からないのかい？

悪いけど、
あの手紙は最初しか見てない。

でも、その最初にこう書いてあった」



『孤星。私の故郷だ。
物心がついた時にはそこにいた。

でも、あんな忌わしき事が起こるなんて…。


だから

あの事が書かれている本や資料をすべて消す。

それが私に出来る事だから』



神威は続ける。

神威「この資料。
孤星について書かれているけど
最初と最後のページぐらいしか残ってない。

つまり、破かれたという事」


破かれたページを神流に見せる神威。
神流が焦っているのがわかる。


神威「その犯人こそが…

神流なんだよ」

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