尊きモノ 「銀魂 神威」

36裏切り ページ38

洸「そう、私はあなたの執事なんかじゃない。


血の繋がった、あなたの...


姉さんの妹、洸です」



神流「え...なん、で...？
あんたが、洸が妹...？」


神流は混乱していた。

急に何を言うかと思えば、


こんな衝撃の強いものだったとはーーー。


洸「全て話します。私がここにいるのも。
どうして隠していたのかも......」


ーーー
ーーーーーー








私(洸)は、もともとは 両親と暮らしていた。
父、母、私、そして姉さん。


私の力が強かったのに対して、姉さんは力が弱かった。


親、特に夜兎族の親は 常に強い子供を欲しがっていた。
だから、私達を見比べて 二人の力の差を見、



姉さんを捨てたのだ。



それが 捨てられた星、孤星にーーー。




もちろん、私は反対した。
でも 親に子はかなわず。

結果的に、姉さんと私は離れてしまったのだ。


おかしい。

自分の子供なのに、なぜ平気で捨てられるのか。



その日の夜、私は密かに両親が向かう先を
後ろから追いかけてみた。


何か隠している。そう思ったのだ。




兵士「......ご苦労。どうだ、調子は」


気づけば、兵士と声を交わす両親。



あんな人 見たことない...。


父「ふん、ご機嫌さ。この調子じゃあ
ここのリーダーになるのも夢じゃない」




ここ？ リーダー？...何のことだ？


母「ふふふ。焦らず、

ゆっくりと自覚を持てばそれでいいからね。

......私達の、奇兵隊の未来のリーダーさん」



奇兵隊！？ 未来のリーダー...まさか......。



父「あぁ、今からでも楽しみだ。
洸が、立派な奇兵隊のリーダーになってくれる日がな......」





そう。私の両親は、奇兵隊の 現在のリーダーだった。

そして、その役を私に 後を継がそうとしていたのだ。



つまり、私は両親に利用されていたのだ。
力が強いことをいいことに、



邪魔者(姉さん)を消してまで。





許さない。


その時、私は足を踏み出していた。






怒りと、騙されていた悔しさと、


ーーー姉さんを捨てた憎い気持ち。







それを、

...抑えることが出来なかったのだ。




気づけば、倒れている兵士と、





両親がいた...。





私が、
両親を。





殺してしまったのだーーー。

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