第30話 ページ32
守一郎side
部屋で火薬についての本を読み漁っていたら、時間を忘れてしまっていたらしく、戸を叩かれて夜も深まっていたことに気が付いた。
同室の三木ヱ門が委員会から帰ってきたらしく、返事をすると三木ヱ門と、後ろに女の子が立っていた。
あぁ、あの子が噂の新しい事務員さんなのかな……?と思いつつ、三木ヱ門に経緯を聞くと、どうやら部屋を教えて貰っていなかったらしく、寝る部屋がない。という事だったらしい。
あの学園長先生ならやりかねないな……と思いつつも、いつまでも廊下に立たせたままでは冷えてしまうと思って中に招き入れると、申し訳なさそうにしながら入ってくれた。
本を閉じて色々と準備をしていると、三木ヱ門がハッとした顔をした。
三木ヱ門「Aさん……寝間着とか無いよな。私のになるが……これ使ってくれ!」
と襖の奥に置いてある予備の寝間着を取り出して渡していた。すると、さらに申し訳なさそうにしながら寝間着を受け取っており、謙虚な子だなぁ……と思いながら見ていた。
そういえば、三木ヱ門とは親しそうなのに、俺にはフルネームで敬語なんだよなぁ……三木ヱ門が羨ましい……俺ももっと仲良くなりたい……
三木ヱ門「守一郎。心の声が出てるぞ。仲良くなりたいならそう言えばいいじゃないか……」
守一郎「ぇ!?ぁ……す……すみません……!」
そう言うと、彼女は柔らかく微笑んで『えと……御嶽Aって言います……俺も仲良くなりたいから……その……守一郎くんって呼んでもいい……?かな……敬語も無しでいいから……』と言ってくれて、嬉しいが全力で出てしまったらしく、三木ヱ門がドン引きしていた。
守一郎「はい!じゃあ……Aさんって呼んでもいいか……?」
『!もちろん、宜しくね守一郎くん』
と花のように微笑んでくれて思わず胸がドキッとした。
よく分からないけど、鼓動が早くなり、顔に熱が集まっていく感じがした。
三木ヱ門「守一郎……守一郎〜!おーい!!見すぎだ馬鹿!Aさんが着替えるから、部屋出るぞ!」
といつの間にか寝間着に着替えていた三木ヱ門に言われ、ハッとした。
守一郎「!!ぁ……ご……ごめん……汗……着替え終わったら言ってくださいね!」
と顔の熱を誤魔化すように三木ヱ門と外に出る。
この気持ちは一体なんなんだろうか……
と思い、輝く星空を眺め気を紛らわせるようにした。
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スイちゃんのご友人のご友人 - ドゾッ【輸血】三c⌒っ.ω.)っ シューッ (2023年2月2日 1時) (レス) @page8 id: 5ad601e96f (このIDを非表示/違反報告)
スイちゃんの姉貴的存在のご友人 - 最高(^^ω)輸血パックをください、、、、、 (2023年1月20日 22時) (レス) @page50 id: b07dd8e215 (このIDを非表示/違反報告)
Spring(プロフ) - 雅さん>>素敵なコメントありがとうございます!面白いと言っていただけて嬉しいです!綾部くんと食満先輩かっこいいですよね……!☺️❤これからも沢山出していきたいと考えていますのでどうぞこの作品をよろしくお願いします☺️ (2022年9月1日 21時) (レス) @page40 id: bb9c13b2cc (このIDを非表示/違反報告)
雅 - 私の推しキャラは、綾部喜八郎君と食満留三郎先輩ですね…😅💓他の上級生のキャラも良い☺️✨👍いちばんの中では、綾部喜八郎君ですね…😭(泣き恥) (2022年9月1日 20時) (レス) id: 3a6985dc21 (このIDを非表示/違反報告)
雅 - コメント失礼します。Springさんが作成した忍たまの小説、読んだら面白くて、見入ってしまいました(笑)続きが気になるぐらい😅 (2022年9月1日 20時) (レス) @page17 id: 3a6985dc21 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Spring | 作成日時:2022年8月30日 5時