十人十色な個性の爆発[忍たま乱太郎]

第18話 ページ20

Aside

意外と喜八郎くんは悪い子ではないことが分かり、話していて楽しかった。
お団子屋さんに行くという約束もできて、少し仲良くなれたかな？と嬉しく思えた。

しばらく歩いていくと、食堂が見えてきて、そこには留三郎くんもいた。

留三郎「おぉ、来たか。どうしてそんなに泥だらけなんだ？それに喜八郎も……もしかして喜八郎……お前また落とし穴を掘っただろ！！誰が埋めると思ってんだ！！」

と喜八郎くんに怒っていた。少し面倒くさそうな顔をしつつはいはいと聞き流している辺り、常習犯なんだなと理解した。

留三郎「はぁ……4年生が待ってたぞ？早く行ってこい喜八郎。」

喜八郎「はぁ〜い。それじゃあまたねA〜」

と名前を呼ばれ手が離れたと思った瞬間、頬にやわらかい感覚がした。しばらく思考停止しよくよく考えると、接吻されたようだった。
みるみるうちに顔が熱くなり、熱が集まるのがわかる。
そう恥ずかしがっていると喜八郎くんは食堂に入っていく。

留三郎「喜八郎のやつ……すまんな後輩が……怪我は無いか？」

と喜八郎くんを睨むようにしていて、首を振ると接吻された箇所を袖でグリグリと拭かれた。そこまでする……？

『大丈夫だよ……ちょっと痛いかな留三郎くん……』

留三郎「！！あぁすまん……！つい……じゃなくて！そｯ……それじゃあ食堂に入るか！念の為後で医務室にも行っておけよ？」

『大丈夫だけど……わかった！一応何かあったら行けないし……後で医務室に行くね、心配してくれてありがとう留三郎くん、先に食べてても良かったのに……』

留三郎「！！ぁ……あぁ……気にするな……当たり前のことをしたまでだ。せっかく約束したんだ。先に食べたら意味ないだろう。AランチとBランチがあるがどっちを食べる？」

少し頬を染めながら目を逸らしてしまったので、彼の優しさに心を温めながら、張り出されている今日のランチを見る。
Aランチは魚メインで、Bランチは肉メインだった。

どちらもとても美味しそうなメニューだったのだが、今日はどちらかと言えば魚の気分だったため、Aランチを選ぶことにした。
すると彼は「わかった」と優しく微笑んで一緒に定食を頼んでくれた。
中を見てみると1年生、2年生、3年生や4年生、5年生などたくさんの人がおり、席が座れるか少し心配だった。
そして、食堂のおばちゃんひとりでこの人数の定食を用意しているのかと思うと驚く他ない。凄すぎる。

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