死柄木弔の妹 season6【ヒロアカ】 (ページ43)

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鉄哉side

「アイロンさん娘出来すぎですよ。俺この前すげぇ驚いたんですからね」

「あの時君を呼んだのか、あいつ状況判断能力凄いな」

ホークスにそう声をかけられ、彼の方を見れば、相変わらずの笑みで“そういうところはアイロン譲りっすよね”と笑うのが見えた。

それがどういうことか分からずホークスを見つめれば、ホークスはただ一点を見つめていた。

「俺はエイルちゃんには強くなってもらいたいんですよ」

「…後輩の指導には興味無いんじゃなかったのか？」

“エイルちゃんは特別です”とニンマリ笑う彼に“あいつは彼氏いるからな”と告げれば驚いたような顔をした。

何かを言いかけていたけど、エンデヴァーの紹介が始まったからかホークスはその口を閉ざした。

相変わらず、何考えてんのかわかんねぇやつ。

エンデヴァーが並べば、そこにはNo.1～No.10が揃った。

「それでは、おひとりずつコメントを！！」

司会者の声にならい、No.10のヨロイムシャから言葉を述べていく。

でもその言葉は全てこれまでの事を言うばかりで、俺はぐっと唇を噛み締めた。

オールマイトが引退した今、日本の未来は俺たちが背負うことになっている。

それにも気づかない者ばかりなのだろうかと疑問に思ってしまうほどに。

「それではアイロンお願いします」

司会者から向けられたマイクを手にして、俺はニッコリと笑みを浮かべた。

「俺たちが背負うのは“これまで”の日本ではなく“これから”の日本です。雄英に行って分かりました。俺たちではすぐに彼らに抜かれる。」

その場にいたヒーローたちがハッとしたような顔をした。

きっと全員が、雄英の体育祭が過ぎったのだろう。

そう、きっといつか、彼らがプロと呼ばれるようになった時、俺らはすぐに追いつかれ、追い越される。

「今のままじゃいけない。高校生に日本を託すようになるかもしれない。日本を任されるべきは俺たちです。…俺は俺のやり方で大切なものを守ります」

ホークスが小さく“親バカ”と呟くのが聞こえた。

それを聞こえないフリをして、司会者ではなくホークスにマイクを渡す。

「…なんですか？」

「言いたいだけ言えよ。うずうずしてるくせに」

ホークスは目を丸くさせた後にくすくすと笑い始めた。

「親子って似るんですねぇ。血は繋がってないのに顔つきそっくり」