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「いた！！志賀さ…エイル！！この人は頭部からの出血！」
「エイル…ヒーロー名か！エイル！この人は足の捻挫…そっちが先です！」
次々と人が来て、正直私一人だけでは対応できない。
くそ、こんな時に百が居ればやれることも増えるのに…
とりあえず捻挫の人には捕縛布で応急処置。頭部の方が怪我の状態としては深刻だ。
この先けが人は増えてくる。
そんな時、創れる彼女は強いんだよ。
「Aさん！この方は足を少々怪我されてました。私が応急処置を施したのできっと大丈夫です」
「百！いい所に！！手伝って！！」
頭蓋骨を骨折した男性を治しながら言うと、百は力強い目で頷いた。
彼女は成長したんだ。挫折して、苦しくなりながらも。
「百、ここは一旦任せる。私も…探してくる！！」
「Aさ…っ！」
もし怪我が酷すぎて運べない人がいたら？
ヒーローが救護所まで来るのは手間だ。
だったら私が動いた方が早いかもしれない。
いや、それより、焦凍と夜嵐イナサが会った時が厄介だ。
仲裁が居ないとそれこそ2人とも落ちるぞ。
「…っ！いた！雄英の！！」
「ぅえ！？はい！」
私が走っていると、声をかけられる。
その人は私が助けると言った時に真っ先に声を上げてくれた人だった。
「俺は真堂…自己紹介はしないけど。俺の個性じゃ厄介なんだ。手伝ってくれ」
「分かりました。私はエイルです」
その人の後ろについて走っていると、放送から“敵が発生。敵を制圧しながら救助を続けてください”とかという超厄介な案件になった。
「…行ってください。行きたいんでしょう？」
「…君はすごいなぁ」
私は真堂さんに対してニッコリと微笑む。
夜嵐イナサと轟焦凍の仲裁を頼みたいところだけど2人とも見ず知らずの人の言うことは聞かないだろうしな。
「士傑のでっかいのと紅白野郎がいると思うので伝えてください。夢を間違えるなよって。」
「…わかった。じゃあ後は頼んだ。ここを真っ直ぐ、あと50mほどだ」
「…了解」
ったく、どこのヒーロー志望も真っ直ぐすぎてやんなるよ。
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