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「学生寮は１棟１クラス。右が女子、左が男子。ただし１階は共同スペースだ。食堂や風呂、洗濯はここで行ってもらう。」
さすが雄英ってだけあって、新しくて広くてきれいな寮だった。
みんなも口々にそのすごさを表現してくれている。
「…流石雄英」
「これ見てそれしか言わないのAだけだとおもう」
響香ちゃんの言葉に苦笑いを浮かべる。
私は驚きすぎて言葉が出てこないんです。
「聞き間違いかな…？風呂、洗濯が共同スペース？夢か？」
「男女別だ。お前いい加減にしろよ」
なんかさ、あれだよね。
相澤先生よく峰田くんのこと見捨てないよね。
部屋割りを発表した相澤先生の紙を見ると、２階に女子が誰もいなかった。
私はお茶子ちゃんの隣の部屋。２階に女子が誰もいないのはきっと峰田くんのせいなんだろうな。
部屋をつくるよう言われて、私は自分の一人暮らしの部屋にあったものをそのまま持ってきたから、自分の慣れた配置に形成していく。
木材がベースの部屋で、香りも木に近い匂いになっている。
それほど荷物も多くないから、私はそのままベットに横になった。
「…疲れたなぁ」
いろいろなことが起こりすぎていて、正直頭が追い付いていない。
でも、確かに今、悪が大きな存在になっている。
私たちはどうするべきなのだろうか。
コンコン
ドアのノック音に顔を上げる。
ドアを開ければ勝己くんが立っていた。
「いらっしゃい」
「…木ばっかだな」
勝己くんはそういうと私の部屋にお構いなく入ってくる。
そういうところは彼らしくて全然いいんだけどね。
「悪かった。守れなくて」
「そんなこと言いに来たの？」
勝己くんは私のほうを見てから自分の頭をガシガシとかく。
「お前を守ると誓ったのに」
勝己くんの声は弱弱しくて、思わず私は彼の頭に手を置いた。
「勝己君がいるってわかって、あの時心強かったんだ。ありがとう」
これだけじゃない。私は勝己くんに言わなきゃいけないことがある。
「オールマイトを終わらせたのはあなたじゃないよ」
「…テメェも、
残念ながら私はオールマイトにあこがれているわけでも、彼を超えようと励んでいるわけでもないから勝己くんほどショックを受けているわけじゃない。
でも、平和の象徴と言われた彼の足を引っ張ったことは事実だから。
「…そうだね、そうなっちゃうね」
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