297.放出オリジン ページ27
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溜の降参を聞いても、私は攻撃を辞めなかった。
彼は今、全力じゃないと判断したから。
溜は私が冴えてるとか天才とか、勝てないとか言うけどそんなことは全然ない。
むしろ私が、彼に敵わない程だから。
「私ね、溜にまだ言えてないことがあるんだ」
スタンガンを回収し、憔悴しきった彼を見つめた。
紙から滴り落ちる水に、溜のイケメンさが目立つ。
「溜は全力じゃない。どこか達観してるところがある」
「っ、そんなっ、こと！」
「俺じゃ勝てない。やっても無駄。やったところで勝算がない…だったらこの勝負、放棄しようって」
ハッとしたように目を見開く彼を見つめた。
溜はもっとできるはずなんだ。何故か
「私が憧れた放出溜っていうヒーローは、そんな姿じゃない。もっとカッコイイ溜を見せてよ」
溜が呆然と私を見てくる。
その目には精気が無くて、何を考えているのかイマイチよくわからなかった。
「何を抱えてるの？何に悩んでいるの？？」
その問に、溜は答えなかった。
あぁそうか、なら…
「負けんじゃねぇよ！！放出溜！！！」
「っ！！！」
その場で思い切り叫ぶ。ほかのメンバーにも聞こえたかもしれない。
私は力が抜けた溜の胸ぐらを掴んだ。
「テメェは…！“勝つまで負けない”男だろ！！！」
溜は私の顔を見ると、薄く笑った。
“はは…”と力のない笑い声が聞こえてくる。
何か攻撃を仕掛けてくるかもしれないから警戒を解くことなく彼を見つめた。
「Aはすげぇよな。俺が思ってること全部当てるんだから」
「…溜」
溜は電気攻撃が聞いたのか、壁によりかかって話し始めた。
「俺がヒーローになりたい理由ってね、Aなんだよ。Aを護りたかったからなんだ」
「っ…」
遠くを見つめる彼の目には、何が写っているのだろうか。
それを疑問に思うよりも早く、私の背後からツノが襲ってきた。
直ぐにそれを弾き、後ろに捕縛布を出して、その女の子を拘束する。
ギチギチにしめあげれば、気絶したように倒れ込んだ。
「Aが護られたくないタイプっていうのはよくわかってる。だから責めるつもりも何も無い。俺にそんな権限ねぇし。」
溜のその言葉に頷いた。私は護られることが嫌いだったから。
「でも、お前に何かあったら俺は嫌なんだ。お前が俺の
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ゆう(プロフ) - シーエル目つぶしさん» コメントありがとうございます！番外編です…笑賛成を頂けてとても嬉しいです！ (2022年1月1日 1時) (
レス) id: 6f6e5985a0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - 蝶々さん» コメントありがとうございます！！賛成を頂けて嬉しいです…！ (2022年1月1日 1時) (レス) id: 6f6e5985a0 (このIDを非表示/違反報告)
シーエル目つぶし(プロフ) - 番外編！？！？！？作っていただけるなら大賛成です！！！！！！！ (2022年1月1日 1時) (レス) @page37 id: b91e4bc22a (このIDを非表示/違反報告)
蝶々 - 番外編、いいと思います！楽しみです！ (2021年12月31日 10時) (レス) @page35 id: 11b1ad38fd (このIDを非表示/違反報告)
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