3話『帰郷の鳥』(中) ページ9
大胆にレイ達の前でコケたリト。
ミカ「あははっ笑 リトくんは変わらないね〜!可愛いね〜!」
ミカは笑っている。
リト「…うーん…笑かっこつけてサングラス掛けてきたんだけとなぁ…」
転けた反動でサングラスが外れた姿はとても優しい目をしていた。
レイはひと安心した。
ミカ「リトくんはかっこよくはならないから大丈夫だよ!」
リト「それ酷いね!?さりげなく酷いこと言ったね!?」
レイは、ミカとリトの会話を聞いてリトの印象が「ヤンキー」から「天然」に変わった。
ミカ「まあ、おかえり〜!昨日言ってた子があたしの隣にいるレイくんだよー!」
「あ、よろしくです」
リト「うん、よろしくね!」
膝に付いた砂を払いながらリトはレイに手を差し出した。
レイは恐る恐るその手を握った。
リト「レイくん…予想以上にイケメンだね…」
「えっ」
さっきから同じ反応しかしていない気がする。
リト「いや、どんな人なのかなーって思ってたけど少なくとも僕よりも男らしいイカなんだろうなって…笑」
そう言ってリトは苦笑いした。
ミカ「そういや、親は大丈夫だった?」
ミカは話題を変える。
リト「うーん…まあぼちぼちだって。僕がお金稼いで持っていかないとね」
リトは体が弱い母から生まれた。弟が1人おり、リトと弟の世話を母と祖母がしていたんだとか。でも、しょっちゅう体を壊す母の看病と子供の世話でとうとう祖母も体力的に問題があって病気にかかり、亡くなってしまった。
それを心配したリトとその弟は、少し早い年代から都会に出向いて働いて母の家に送金している。
今はいい年になったので、リトはハイカラスクエアでバイトをしながら送金。弟は母の世話をしているらしい。時々体調を見に、リトも家に帰ったりしている。でも、ハイカラスクエアで出来た友達を話をしているといつも「その子の所に早く帰りなさい」と母に急かされ予定よりも早く戻るんだとか。
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作者名:こっこ@amuse | 作成日時:2019年6月17日 7時