3.お泊まり ページ5
「わーい!!久しぶりのくぅちゃん家だー!!」
.
空却の父、空灼に挨拶した時、Aが寺に泊まっていいかを確認すると二つ返事で了承してくれた。
「鼻の下伸ばしてんじゃねぇぞ!このロリコン坊主!!!」と空却が水を指すものだから、拳が襲いかかった。
「おい、布団近くねぇか、、?」
「今日寒いもん、近くないと凍え死んじゃうよ」と部屋からずるずると引っ張ってきた布団を、空却の布団の隣にぴたっとくっつける。
「昔みたいに、一緒寝たい」と子供みたく駄々を捏ねるAに空却は反論したが、どうしても言うことを聞かないので「今日だけ」ということを約束に了承した。
「一緒のお布団でもいいけど、くぅちゃん狭いでしょ?だから、隣で我慢する!」
ひとつ屋根の下で年頃の男女が同じ部屋で寝ることすら、まずいと言うのにこんなことまで言い出すのでもう頭が痛い。
後でこのことが空灼に知れ渡ればまた、説教と拳がある事をわかっていながら、Aの我儘を受け入れるのは空却もなんだかんだ言って、自分に擦り寄ってくれるAが可愛いからなのだ。
先に布団に入ったAに次いで空却も隣の布団に入れば、「くぅちゃん耳いっぱい空いてるね」と声をかけられた。
Aが京都に行く前は無傷だったこの耳も今じゃ、穴まみれで開ける度に父親に怒られていた。
「それいくつあんの?」
「左9の右7だな」と自分の耳を触りながら答えて、Aの耳たぶに視線を送った。
「ええ!!そんなにあんのー?痛くないの?空けるの」
「変なところに開けなければ痛くねぇよ。んなもん。」
「そうなんだ。周り開けてる人にいなかったしなぁ」と言う言葉にAが私立の女子校に通っていたことを思い出す。
「ねぇ、くぅちゃんに私の耳開けてって言ったら、やってくれる?」
「開けてぇのか?別にやってやらんくもねぇけどよ」
そう答えると、酷く眠そうな声で「ありがとー」と間延びした声が聞こえる。
「、、、おい、A、あっちでの生活どうだった、、、?」
「、、、んーと、、、ね、、、。」
返事だけして少したっても返事こず、 空却は部屋の電気を消して、自分も寝る体勢に入った。
「A、、、お前が帰ってきて、本当によかった。」
Aが寝てるのをいいことに、幸せそうに眠る寝顔をみながら空却も目を閉じた。
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Spica(プロフ) - 琥珀さん» がんばります!ありがとうございます!! (2020年4月3日 1時) (レス) id: 96b0a1e7e5 (このIDを非表示/違反報告)
琥珀(プロフ) - くーこーくんかっこいいです!更新頑張ってください! (2020年4月3日 0時) (レス) id: 6a8db3737f (このIDを非表示/違反報告)
Spica(プロフ) - グミさん» コメントありがとうございます。空却くんかっこいいですよね、、。何度でも惚れ直しちゃいます笑更新がんばります!楽しみにしていてくださいね! (2020年4月1日 17時) (レス) id: 96b0a1e7e5 (このIDを非表示/違反報告)
グミ - いや,最高すぎません?くこくんカッコイイ…尊くて息するの忘れそうです。がんばってください!楽しみにしています!!! (2020年4月1日 14時) (レス) id: ac5428abc6 (このIDを非表示/違反報告)
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