セミお寿司 ページ2
深夜11時を回った頃、薄暗い路地を歩いて向かうは彼氏の家。
貴方「ただいまー」
玄関のドアを開けて入ると甘い匂いが鼻につく。
それは決して嫌な匂いじゃなくて、大好きな彼の匂い。
貴方「まほとー?」
部屋の扉を開けて入ると彼がカメラに向かって喋っていた。
あっ撮影中だった。
邪魔しちゃったかなと思って一歩後ろに下がると、頭に靴下で作られたハチマキを巻いている彼に、ちょいちょいと自分の方に手招きされる。
貴方「え?なに、今年もセミ食べてんの?」
マホト「そうそう」
そう言って彼はきっと寿司をイメージして作ったセミのお寿司を「口開けて」と箸で挟んで私の口元に持ってくる。
貴方「やだやだっ!絶対美味しくないもん。こんなゲテモノ」
マホト「皆さん聞きましたっ?!私があんなに頑張って作ったセミお寿司を、ゲテモノ扱い!!なんて彼女だっ!!!」
いや、当たり前でしょ。こちとら仕事で疲れて帰って来たのに、セミ食べろとか拷問だろ。
なんて彼氏だ。
私が首を横に振っているのにも関わらず「早く口開けろ」とセミを寿司が近ずいてくる。
貴方「ちゃんと消毒した?バイ菌とかいないの?」
「油で揚げたからそこんとこ大丈夫だろ」と笑いながら言う彼。
いや、笑えないわ。これでおなかこわしたらどうすんだよ。
マホト「Aこっち見ろ」
急に真剣な声で名前を呼ばれて彼の方に向いた瞬間口に突っ込まれる彼の箸。
貴方「んぐっ」
硬い。あっバリっていう。えっなにこれ
セミだ。
口に入れてしまった(入れられた)ものを戻すのは行儀が悪くて私にはできない。
涙目になりながら飲み込む。
彼は「半泣きじゃん」とまたまた爆笑しながらも、私の頭を撫でる。
ムカついた私は彼の手を払って、彼の柔らかい頬っぺをぐにゅーと押した。
「風邪ひいてんでしょ。病人はさっさと寝ろっ」その後に「べー」と軽く舌を出して、彼のへやを出た。
.
マホト「え、なにあれ。可愛い」
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Spica(プロフ) - さくらもちさん» リクエストありがとうございます!了解しました!! (2018年10月1日 23時) (レス) id: e1a3ad6a9c (このIDを非表示/違反報告)
さくらもち(プロフ) - 最高やぁ……リクエストオケですか?まほとくんが嫉妬するのが見たいです!これからも頑張って下さい! (2018年9月23日 23時) (レス) id: b0c4fe47c2 (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑 - だーしゅきだあ((は? (2018年9月21日 10時) (レス) id: 3c3771251f (このIDを非表示/違反報告)
Spica(プロフ) - 征我@オリフラ外し隊さん» 外し忘れていてごめんなさい。ご指摘ありがとうございます。以後気をつけます。 (2018年9月9日 21時) (レス) id: e1a3ad6a9c (このIDを非表示/違反報告)
Spica(プロフ) - からきりさん» ご指摘ありがとうございます。以後気をつけます。 (2018年9月9日 21時) (レス) id: e1a3ad6a9c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Spica | 作成日時:2018年9月9日 18時