孤独なサモナー[6] (ページ50)

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Log365 ページ50

ここに集まったメンバーの合意が取れれば、アキバの街の住民全ての合意をとることは、さほど難しくはないのだ。

もちろん、それはシロエが結果的そうなるように会議への招待ギルドを選んだ結果でもある。

しかし、それだけにこの巨大ギルド間で同意を得るのは限りなく難しい。
その難易度は“ギルドをひとつ潰す”の何倍にもなるだろう。
シロエはそれを判った上で挑戦を始めたのだから。

アインス「そのまえに、メンバー選定の基準を教えて貰えるかな。」

その静けさを最初に破ったのは、アインスだった。
大手の戦闘系ギルド〈ホネスティ〉のギルドマスターは、外見通り中年の落ち着いた声で問いかける。

シロエ「判りました。
それについては僕のギルド所属のAからお伝えします。
A、お願いできるかな？」

あらあら。
ここでまず一手ですか。
しかたないな。

A『先ほどご紹介にあたりました。
〈記録の地平線(ログ・ホライズン)〉のAと申します。
以後、お見知りおきを。
ではここにお招きしたメンバーの選定基準をお話しします。
まず〈黒剣騎士団(こっけんきしだん)〉、〈ホネスティ〉、〈Ｄ．Ｄ．Ｄ〉、〈西風の旅団(にしかぜのりょだん)〉の各ギルドは、戦闘系の大規模ギルド、もしくは功績の高いギルドを選ばさせて頂きました。
お帰りになった〈シルバーソード〉もそうです。』

さて次は。

A『〈海洋機構(かいようきこう)〉、〈ロデリック商会〉、〈第8商店街〉は生産系を代表する三大ギルドとしてお招きしました。
〈三日月同盟(みかづきどうめい)〉、〈グランデール〉、〈ＲＡＤＩＯマーケット〉は小規模ギルドの代表として、です。
誤解無いように願いたいのは、この3つのギルドに対しては、ギルド単体としてお呼びしたと云うよりは、ギルドに参加していないようなギルド未加入者や、この席にはお呼びできなかった小規模ギルドの意見を汲み上げるために選ばさせていただいたということです。』

シロエ「ギルド自体が小規模であるからと言って、その発言の重みには無視すべきではありません。
また、もしこの会議が成立するとすれば、そのような行動をお願いすることになるかと思います。」

中小ギルドを三つも参加させたことについては反発も予想されたが、これは思いの外冷静に受け止められたようだった。

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2019/11/09