Log344 ページ29
ソウジロウ「いや、だって。
その……僕、ハーレム体質だから。」
赤くなって口ごもるソウジロウにシロエ、私は返す言葉もない。
その横で班長は大きな声でからからと笑っている。
直継であればすかさずつっこみチョップを入れていたところだろう。
シロエ「それは確かに重大な問題だけど、そんな事で嫌ったりする訳無い。
僕たちは〈
ソウジロウ「そうか、そうですよね……。
でも、じゃぁどんなご用件なんですか？」
ソウジロウの問いにシロエは背筋を伸ばして気合いを入れ直す。
シロエ「単刀直入に云うと、力を借りたい。」
ソウジロウ「どんな力でしょう？」
にゃん太「……ソウジっちは、今のこのアキバの街をどう思うですにゃ？」
ソウジロウ「この街、ですか。
抽象的ですね……。
それはやっぱり、いろいろ辛いとは思いますよ。
この街に限らずですけれど、この世界全てが考えようによっては牢獄じゃないですか。」
A『牢獄かぁ。』
ソウジロウは髪の毛を掻き上げた。
そうすると、武士風のポニーテイルがホーム上の風にたなびくのだ。
ソウジロウ「ええ。
――いきなり巻き込まれて、異世界になってて。
帰る方法も判らない。
死ぬことも出来ない。
世界の仕組みからしてそうな上に、街の外はモンスターがうろうろです。
僕らはともかく普通のプレイヤーさんは閉じ込められている気分になるのも、判ります。」
それもそうね。
にゃん太「そうだにゃー。
そう言われればもっともだにゃ。」
ソウジロウの話に班長も頷く。
私の考えが班長と一緒だったのだ。
誰しもが漠然と思っていたことをソウジロウは、はっきりと言葉にした。
たしかに、そう考えれば閉塞感があるのも当然だと私も思う。
ソウジロウ「だから辛いですよね、良くないと思います。
こういう状況だと弱い者いじめに走っちゃいますしね。
実を言えば、うちのギルドでも、もう街を出ようかなんて話も上がってるくらいですもん。」
A『アキバ、出て行くの？』
ソウジロウがアキバを出ていくかもしれない…。
★☆★
2019/11/08
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 17人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：豆乳ココア | 作成日時：2019年11月1日 12時
