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ルンデルハウス「それでも僕は冒険者になりたかったんだ。
ミス・五十鈴を責めるのはやめておくれよ?
頼み込んだのは僕なんだからさ。」
ミノリ「いえ、わたしだって気が付いていましたっ。
気が付いていて、放置していたんですっ。」
ミノリが叫ぶように声を漏らす。
その言葉で、全員が悟った。
いままで冷静に行動してきたミノリも、内面では随分と動揺していた事に、だ。
ルンデルハウス「はははっ。
うん、ミス・ミノリ。
ありがとう。
……気にする事はない。」
シロエ「いいや、気にするね。」
シロエ?
シロエは言葉を挟む。
そう。
時間がないのだ。
シロエはいま自分がやっている事がどれだけ恐ろしい事なのかに思いを馳せた。
これは、もしかしたら大きな過ちかも知れない。
世界の法を脅かすような行為だとも云えるだろう。
例え成功したとしても、この一事の余波がこの世界にどんな影響を及ぼすか判らない。
また、この【提案】が【世界】からどう受け取られるかだって、予想のしようがないのだ。
しかし、悟ったような別れの言葉を口にする眼前の青年は、冒険者と云った。
〈冒険者〉ではなく、冒険者と云ったのだ。
で、あるならば、この青年は私達の【仲間】だ。
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2019/12/30
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作者名:豆乳ココア | 作成日時:2019年12月8日 23時