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アカツキ「何を笑っているのだ、主君。」
腕の間からアカツキが身をよじるようにしてシロエを見上げてくる。
先ほどからシロエは、喉の奥を鳴らすような音を立てて忍び笑いをもらしているのだ。
星々の間を〈
この調子では、後数分もすればアキバの街は見えてくるだろう。
地上を移動すれば数時間の旅路も、力強い翼を羽ばたかせる魔獣の背に乗れば二十分程度の短い距離でしかない。
シロエ「いや、傑作だと思ってさ。」
A『そうね。』
アカツキ「ん？」
シロエはおかしそうに笑う。
シロエ「クラスティさんのあんな顔、始めて見た。
誤魔化してたけどさ。
……あれは、押されてたよね。
あー。
すっきりした。」
A『ぷっ！』
アカツキ「主君はまだ根に持っていたのか？
……舞踏会のことを。」
シロエ「そんな事はないけど。
……でも、そうなのかな。」
シロエは腕の中にすっぽり収まったアカツキに応える。
シロエ「それに、あのお姫様もたいしたタマだよ。
あそこでああ来るとはね。
――礼節、か。
それはちょっと考えたことがなかったなぁ。
でも、彼女は今回の件で行き止まりにはまり込んでいた〈自由都市同盟イースタル〉を救った。
誰がどう云おうと、彼女は自分達を救うために行動を起こして、それに成功した訳だ。」
A『そうね。』
〈自由都市同盟イースタル〉は〈
どのような子細があるのかまではまだシロエにも私にも判らなかったが〈イズモ騎士団〉が動けないのであれば、〈冒険者〉を投入する必要はあるだろう。
もしそれに失敗すれば、泥沼の消耗戦に突入する。
〈自由都市同盟イースタル〉の24領主はその幾つかが空席になると云うことも十分に考えられる事態だったのだ。
そうである以上〈自由都市同盟イースタル〉はどのような条件をつけてでも〈
しかしここにひとつ大きな誤解がある。
〈
☆★☆
2019/12/14
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作者名：豆乳ココア | 作成日時：2019年12月4日 20時
