23話 By春雨 ページ24
菜種side
「はい、それじゃあ次、言っちゃおうかなー?」
少しの沈黙の後、無表情でスッと手を挙げたのは白髪ツインテールの女の子だった。
「僕の名前は篠原 碧(しのはらへき)。超高校級の画家だよ。ヨロシクね☆」
皆が返事をする前にテンション高めの明るい声色で紡がれた言葉を聞けば、誰もが明るい子だとしか思わないだろう。
…無表情の彼女を見なければ、だが。
「あ、君どっかで見たことあるかも!」
「うん。僕いろんな所で絵を描いてるから、君以外にも僕を見かけた人いるかもね」
「そっか。…わぁ、そのピンクの熊のぬいぐるみ、可愛いね!!」
「ありがとう。まあ、なんとなく持ってるだけなんだけど」
「あと、気になったんだけど、君って…もしかしてアルビノ?」
「そうだよー。凄いでしょ!!」
声色と一致しない無表情な彼女から、どこか少しだけ異様な雰囲気を感じとり、あたしを含めた皆が戸惑う…というか固まった。
そんな中、全く碧ちゃんの様子を気にしていないのだろう里奈ちゃんと本人は、ぽんぽんとリズムよく会話をしだした。
「ちょ、ちょっと待って…あの、あたしから一ついいかな?」
一歩踏み出し、碧ちゃんの方を向いてスッと挙手をする。
すると、此方を向いた彼女と視線がかち合った。
「うん、遠慮なくどーぞ☆」
「ありがとう。あのさ、こう言ったら失礼かもしれないんだけど…」
少し息を継ぎ、再び口を開く。
「ずっと無表情なのに…喋り方は明るいのが不思議だなって思って」
あたしがそう言うと、碧ちゃんは幾度か瞬きを繰り返した。そして、突如「あーね!!」と納得したように柏手を叩いた。因みに里奈ちゃんと話している時から此処までも、勿論彼女は無表情である。
「そっかそっか。皆は笑ったり泣いたりするもんね!! 僕は無理なんだ。別に病気な訳でもないと思うんだけど。…まあ、その内慣れるよ!! あははっ!!」
口では笑っている…と言えば可笑しな表現になってしまうが、やはり顔はにこりともしないのだ。
失礼かもしれないが、正直……不気味だ。話していると調子が狂いそう。
里奈ちゃんや夏月ちゃんなど、気にしてない人も居るみたいだけど、他の数人と…少なくともあたしはそう思ってしまった。
本人の言う通り、慣れるかもしれないけど。
「まあまあ、気を取り直して…次、いってみよー!!」
雰囲気に流されず、碧ちゃんは言うまでもなく無表情で、右の拳を自分の頭上へと突き上げた。
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riiu(プロフ) - 更新しました! (2020年2月16日 14時) (レス) id: d32ce14729 (このIDを非表示/違反報告)
riiu(プロフ) - 了解です!では探索の方いきますね!更新します! (2020年2月16日 13時) (レス) id: d32ce14729 (このIDを非表示/違反報告)
くろーさぎ(プロフ) - 春雨さん» すみません!!どうしたら良いのかと思っていたのですが……話を進められそうなら進めて構いません!グループを組む場面でも大丈夫です! (2020年2月16日 13時) (レス) id: 472ca3e356 (このIDを非表示/違反報告)
春雨(プロフ) - riiuさん» 主催者でない私が意見するのもどうかとも思ったのですが、私はグループ組んだ後の話を進めてもいいと思いますよ。確かに話が大幅に進んでしまうと不味いかもしれませんが、現段階ではそこまで大幅に話が飛んだりはしないと思いますし。 (2020年2月16日 13時) (レス) id: 55d503be78 (このIDを非表示/違反報告)
riiu(プロフ) - えーっと…更新したいのですが、まだ話の中でグループが組めてない子達がいるので、そちらを先にやった方がいいでしょうか…? (2020年2月16日 12時) (レス) id: d32ce14729 (このIDを非表示/違反報告)
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