【銀魂】沖田家の長女は変装をして真選組の女中になっているようです。

＃２６ ページ26

こう言う雨の日は、あの日を思い出しちゃうから、私も苦手だなぁ。





「沖田隊長、雷苦手なんですよね？実は、私も少し苦手なんです。一緒に居てくれませんか？」





本当はこれっぽっちも怖くない、けど、今の私ではこうでも言わないと了承してくれなさそう。





「……別に、苦手じゃねェし。…まぁ、お前ェがそこまで言うなら一緒に居てやらァ」





ふふ、相変わらず嘘がへたっぴ。





「ありがとうございます」





布団から這い出てきた総悟を見て、また笑った。


………
……
…


「…なんで、俺が雷苦手って知ってたんでィ」





時折鳴る雷にビクつきながらも、バリバリとお煎餅を囓っている総悟。

さっきは否定していたけど、諦めたのか私も雷が苦手だと思っているからか。





「え？えーと、土方副長が言っていたので」





「……アイツ、絶対ェ殺す」





ボソッと呟かれたその言葉に苦笑いが溢れる。

トシ、ごめん。





「…あ、晴れて来ましたね。通り雨で良かった」





閉められた障子の隙間から見える光。





「…だな」





「沖田隊長。ありがとうございました。お陰で雷、あまり怖くなかったです」





「別に、俺は何も…」




ふいっとそっぽを向く総悟。

もしかしたら、私が本当は雷苦手じゃない事、分かっているのかも知れない。

でも、今の私にはこれくらいしか…側に居てあげる事くらいしか出来ない。

許してね、総悟。

◇

ただ雷に怯える総悟、可愛いだろうな〜と言う私の妄そ、ｹﾞﾌﾝｹﾞﾌﾝ。想像が生んだお話でした。

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