【28】 ページ28
…
頭の上に、あたたかいぬくもりがある。
一瞬思考が停止してしまった。
けど、その優しい温度が爽くんが私の頭を撫でているんだと理解させる。
「わ、私の方こそお世話になったよ。
爽くん達いたから楽しく勉強出来たし…。」
「達…。
まぁ俺はAが、いたから頑張れたんだけど。」
ドキッとした。
爽くんって一人称いつも"僕"だったよね…?
今、"俺"って言ったよね…?
当たり前なんだけど、爽くんも男の子なんだって思った。
それと、私の名前を少し強調したところ。
あぁダメだ、変な感覚に陥る。
これ以上こんなことしていたら、もっとおかしくなってしまう。
「じゃあ、そろそろ戻ろうか。」
「…あ、うん。」
爽くんの声で我に返る。
颯爽と歩き出す背中を追いかけようと爽くんを見たら、赤くなった耳が目に入った。
…ずる。
バスの中の時は、あんなにあたふたしてたくせに。
一丁前にかっこいいことして。
あんなの平然といる方が無理だ。
もうなにも考えないようにしよう。
そうでもしないと何かが溢れてしまいそう。
…
「ねえ、爽くんとなんかあった?」
「…ん?」
「や、なんか感じた。」
「何を!?」
「ん〜雰囲気?朝と少し違う。」
「えーいやぁ…?」
「ふふ。」
菜々と爽くんと分かれて、いぶくんと電車で話している。
と、思ったらなんか爆弾発言したよこの子。
「何されたの?」
「…ナニモサレテナイヨ?」
「そんな棒読みで言われても説得力ないよ。」
そんなニヤニヤと見ないでよ。
いぶくんフワフワしてるように見てて、結構鋭いよね。ある意味怖いぞ。
「んぇ〜…まぁ…爽くんも…ね?」
「うん。」
「女の子じゃなかったんだって思った。」
「あはは!なにそれ!」
「だって爽くんって可愛いじゃん。」
「それはわかるよ。だからって女の子って…。」
「ちょっと笑いすぎだよ。
たしかに変なこと言ったかもだけど。」
私の発言にひーひー言いながらいぶくんめっちゃ笑ってる。
言わないけど、いぶくんだってなかなか可愛いよ。
笑い声だって女の子みたいの高い。
「あー…ふぅ。
ま、逆を言えばさ、爽くんも男の子なんだなって思ったってことでいいんでしょ?」
「ぇあ、あー…?」
笑いが収まったと思ったら、痛いとこをつかれた。
何も言葉が出てこないあたり、肯定してるも同然。
私の負けのようです。
…
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天才科学者(プロフ) - わ〜!キュンキュンしました!!!!(キュン)死ぬかと思いました(笑) (2020年1月23日 18時) (レス) id: 1019316ade (このIDを非表示/違反報告)
sun(プロフ) - あほの子さん» コメントありがとうございます!キュンキュンしてもらえたようで良かったです(^-^)!笑 (2018年8月23日 15時) (レス) id: 2b179db437 (このIDを非表示/違反報告)
あほの子 - 爽くんのほんわか雰囲気があってめっちゃ可愛かったです!!最近ネタ系を見てたのでキュン死くるかとおもいましたwすごく良かったです!!ぜひいぶくんと友達も付き合って欲しい......!!!すごく良かったです!完結おめでとうございます!!! (2018年8月23日 1時) (レス) id: 6cd14c445e (このIDを非表示/違反報告)
sun(プロフ) - 夜話さん» ありがとうございます!私も書いてる身としてそんな感じでした笑 嬉しいです(´ー`*) (2018年8月12日 21時) (レス) id: 2b179db437 (このIDを非表示/違反報告)
夜話 - 一人でニヤニヤしながら見ました。主人公のはずが三者視点から見てしまってました笑 面白かったです! (2018年8月12日 1時) (レス) id: 19f63be987 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:sun | 作成日時:2018年3月18日 19時