【爽快に】 青春を送ってみた

【16】 ページ16

…




とりあえず、元いた席に戻った…と言っても碓氷くんは隣に座ったけど。
ただいま21:05。一向にみんなが起きる気配はありません。
うーん…起こした方がいいのかな…。←みなさんは起こしましょう




｢ふあ〜あ…。｣



隣に座る碓氷くんが眠そうにするから私もさすがにまた眠くなってきた。
そういえば、と思い、髪を結いでたゴムを取った。
まさかこんな事態になるとは思わなかったから、お風呂上がった後に跡が付くのを避けるべく髪を下ろした。
肩より少し下まであるから、普段も結いでるけどね。



｢…。｣

｢…？なに？｣

｢いや…。｣



急に碓氷くんがガン見してきたから、間抜けな声が出る。
だってそんな真顔でガン見されたら…ねぇ？




｢髪…下ろすと印象変わるね。｣

｢あぁ、そういうこと。そうかな？変？｣




毛先を指でいじる。
たしかにいつも結んでるから結んでない時を見ない人は、印象変わるのかも。
変に思われたら不安だから聞いてみたけど…。
碓氷くんは机に突っ伏す寝る体勢に入って





｢んーん…似合ってるよ。

…かわいい。｣




そう小さく呟いた。




｢あ、ありがとう…？｣




さっきと言い、寝ぼけてると人ってこんなふうになるのかな？
と思ったけど、耳が赤いのが突っ伏している状態でも見て取れた。
それを見てこっちまで赤くなる。


なんだよ…キュンてしちゃったじゃん。
赤くなったのがバレないように私も机に突っ伏した。




｢サラサラー…。｣

｢ちょっと何してるの。｣



顔を上げた碓氷くんが(突っ伏して見えないから多分だけど)、私の髪の毛をいじり始めた。
少しだけくすぐったい。




｢ん？サラサラだなーって。｣

｢くすぐったい。｣

｢ふふ、楽しい。｣



さっきまで赤かったくせに、なんか悔しい。
悔しいのに、この空気が心地よくて抵抗することを諦める。




｢あ、先生起きたかも。｣

｢うそ？｣



手を止めて先生の方を見るから、私も顔を上げる。
あ、伸びをして腕時計を確認した。




｢っと、今のうちに席戻るね。｣

｢あ、うん…。｣



小さく囁いて、先生に見つからないように自分の席に戻っていった。
自分の席と言っても、少し斜め前なだけだけど。

焦ってる先生が誰か起こしてくれよー！って叫んでみんなが起き始める中、碓氷くんがこちらを振り返った。


とくに何かを言ったわけでもなく、静かに笑った。




だから思わず笑い返した。




…

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