高嶺の花は喋らない

８話 ページ9

春音さんは驚きながら首を傾げた、確かにこれは可愛い……小動物みたいだ、春音さんと同様男達も驚いていた

『彼氏とかっている？』


ストレートに聞いた、遠回しに聞くなんてめんどい


その質問に首を振った春音さん。居ないと言うことか。後ろではそれを聞いた男達が騒いでいる、春音さんはどうしてそんなこと聞いたのって顔してた


『ちょっとね、あいつらが春音さん彼氏居るのかなってな騒いでうるさいから、俺が聞きに来た、ごめんねいきなり』


｢！！｣


春音さんは驚いていた、なんで分かったのか。そんな顔をしている、それが何だか可愛くて俺は思わず笑ってしまった


『春音さん、なんで分かったのかって顔してる』


｢！！｣


『春音さん分かりにくいけど結構雰囲気で分かるよ』


春音さんと話していると周りの男子からブーブーと批判の声が飛んできた


｢ちょっ！国見ずるい俺も春音さんと喋りてぇ｣


｢あれ誰だよ……春音さんと喋りやがって……｣


｢俺とも喋ろはるちゃーん｣


『うわぁ……外野がうるさいから俺退散するね。ごめんねいきなり話しかけて』


｢！！……｣


そして俺はその場を後にした、結構春音さんって表情には出にくいけど雰囲気で分かりやすいんだなと思った。春音さんの事を知れて少し嬉しいと思った自分がいることに俺は見て見ぬふりをした



……




今日もいつもと同じ……席に着くと入口からこっちを見ている男の子達……何も変わらない日常。少し違ったのは私に話しかけた人がいること


｢彼氏とかっている？｣


確か同じクラスの……クラスの人との交流もない為全く名前を覚えられていない。けどこの人は知っていた、私に視線を向けることがあまりないから……確か国見くん……だったはず。国見くんとよくいる人もほかの人達と違うから少しだけ覚えてる金田一くん……名前しか知らないそんな国見くんが私に“彼氏いるのかって”聞いてきた。


勿論いない……男の子は苦手だし。否定の意味を込めて私は首を横に振った。その後またクラスが騒がしくなる。静かなほうが好きなのに……


『(どうしてそんなこと聞いてきたんだろう…)』


そう思っていると、国見くんは


｢ちょっとね、あいつらが春音さん彼氏居るのかなってな騒いでうるさいから、俺が聞きに来た、ごめんねいきなり｣


『！！(何で分かったの……？)』

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