高嶺の花は喋らない

２３話 ページ24

｢着いたぞ｣

『……今日もありがと……』


｢お礼なんかいい、俺が好きでやってんだからな、んじゃまた明日な｣


『……』




……




今日は色々あったな……日向くんや飛雄のチームメイトに会えた。青城のバレー部の人とも話したし……


『(騒がしかったけど……少し楽しかったかも)』


騒がしくてもこんなに楽しいと思ったのは初めてだ……最近、自分の周りで初めてのことばっかりが起きすぎていて心が追いつかない、どういう反応をすればいいのか……どうすれば気持ちが伝わるのか


『(変われるかな……私……)』





……






国見said

練習試合が終わり次の日……昨日及川さんに聞くとどうやら春音さんと一緒に居た男は影山だったらしい、幼馴染みだと……そんな話し一度も聞いたことない。北一に居なかったという事は別の中学だったのかな？北一に居たとしたら有名だっただろうから知らないわけがないし


｢はよー｣


『はよ……』


｢おー金田一、国見はよー！｣

教室に入るといつものように騒がしいがまだ春音さんが来てないということでいつもよりは静かだった


｢おー！来た！！春音さ〜ん！｣

｢春音さ〜ん！｣

｢……｣

相変わらずの五月蝿さにいつもと同じ無表情の春音さん

｢昨日体育館来てたんだろ？春音さん｣

｢おぉ｣

｢いいよなー俺も体育館行けばよかった｣

｢でもすぐに出てったから｣


金田一とクラスメイトが盛り上がってて俺は中に入れない。せっかくだから春音さんに話しかけに行こ、他の男子よりは春音さんと仲よくなれた気がするし、興味本位であったが春音さんに話しかけた


『春音さん』


｢！！｣

俺が話しかけただけで周りのみんなの騒ぎ様……一斉にこっち見るから心臓に悪い、当の本人は不思議そうに俺を見てる、可愛いな


『えっと……』

自分で話しかけといて、今から何を話そうかと考え始める。ほら見ろ春音さん困惑してるよ


『バレー部』

｢！｣


『誘われたでしょ？及川さんに』


そう言うと春音さんは頷く


『入るの？』


｢……｣


春音さんは微妙な顔をしていた……まだ迷っているのだろう

『迷ってる？』


｢！！｣


『影山と敵になるから……とか？』


｢！！｣

やっぱりか……春音さんにとって多分影山はなくてはならない存在なんだろう

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