５５話 ページ16
でも、こうやって俺を見かければ、俺の方に寄ってくる。前までは逆だったのに、今では無希の方から寄ってくるようになった
「やっぱり強いね」
『いや、そんなことない、個性もなしに俺たちを抜かしたお前のが凄い』
「でも負けた」
『無希には負けらんねーからな』
「なんで……？」
『なんでってそれは……』
…………より強く……て……を……るように
俺が…………を……ら……なきゃ……
『？……なんでだろうな』
「聞いてるの私だよ……？」
なんだったんだろう……自然と言葉が出てきた。そして遠い記憶のようなもの……これは誰の記憶で、何の記憶なのか
「次始まるから……行こ」
『あ、あぁ』
そして俺は無希と一緒に演習場を後にした
……
男子更衣室……
「なかなかハードな訓練だったなー！」
「久々の授業汗かいちゃった！」
「俺は機動力課題だなぁ……」
「情報収集で補うしかないな」
「それだと後手に回るんだよなーお前らとか瀬呂が羨ましいぜ」
「おい、緑谷ーやべー事が発覚した。こっち来い。見ろよこの穴ー恐らく諸先輩方が頑張ったんだろう」
「峰田くんやめたまえ！覗きは立派な犯罪行為だ！」
覗こうとしている峰田実がいた
相も変わらずと言った感じである
「オイラのリトル峰田は立派なバンザイ行為なんだよぉぉぉ！八百万のヤオヨロッパイ、芦戸の腰つき、葉隠の浮かぶ下着、麗日の麗かボディ、無希先輩の謎めいた全貌、蛙吹の意外おっぱ」
全てを言い終わる前に峰田実の目に突き刺さったイヤホンジャック……的確な位置、そして威力も申し分なかった
「おい……轟すげぇ顔してるぞ」
「ほんとだ……」
「人、一人殺しそうな勢いだ……」
騒がしい男子更衣室であった
……
「えーそろそろ夏休みも近いが……勿論君たちが1週間も休める道理はない」
「まさか……！」
「夏休み、林間合宿やるぞ」
「「知ってたよ！やったー！！」」
「キモ試そー！」
「風呂ー！」
「花火」
「行水」
「カレーだな」
「湯浴み！」
「自然と円環境ですとまた活動条件が変わってきますわね」
「いかなる環境でも正しい選択を……か面白い」
「寝食みんなとワクワクしてきたー！！」
「ただし！その前の期末テストで合格点に満たなかったやつは……補習地獄だ」
「みんな頑張ろうぜー！」
「クソくだらねー」
「女子！頑張れよー！」
『(林間合宿……)』
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