【あんスタ】吸血鬼の妹は狼に恋をする２ (ページ16)

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空港に来た。

「A…本当にいいの？」

『うん』

時は進み今日は両親が海外へ戻る日。

「心配せんとも我輩達は大丈夫じゃよ」

「だから安心して仕事してきてよね」

私は日本に残ると決めた。

「そうだな、ありがとう。零、凛月」

「次はお土産持って帰るわね！」

『ねぇ、次は…いつ帰って来れる？』

両親はお互いに目を合わせクスッと笑った。

「さぁ…いつになるかしら」

「その時はちゃんと連絡してから帰るよ」

「零、凛月、A、またね！」

それじゃあ、と言うと2人は行ってしまった。2人が見えなくなるまで手を振った。

あっという間だった。

またいつもの生活に戻るんだ。

『帰ろっか』

「…そうじゃな」

「ちょ、兄者、くっついてこないでくれる？」

「酷い」

零兄と凛月兄のやり取りに思わず笑みがこぼれる。

ピロン♪

スマホの着信音が鳴った。画面には “敬人兄” の文字。メッセージ画面を開く。

明日の放課後、アイドル科の生徒会室集合

如何にも敬人兄らしい文章だった。

昨日、私のクラスでステージに立つ生徒が決まった。だいたい予想はしていたが女子は友達のルナ、男子はクラスで人気のある人だった。

分かった。そう返事をしてスマホをカバンに入れた。

『零兄、凛月兄、早くしないと終電逃しちゃう。明日も学校なんだから』

「A～、凛月が我輩のこと避けるんじゃよ～…」

「A、こんな人置いて帰ろ」

本当、この2人は仲がいいのか悪いのか。

『2人ともタダでさえ目立つんだから、変な行動しないでよね？』

「3人とも目立つ、の方が正解でしょ」

さっきから気になっていた沢山の視線、零兄と凛月兄のせいにしたかったがどうやら私のせいでもあるらしい。

『急ぐよ、零兄、凛月兄』

「はいはい」

「お、お兄ちゃんを置いて行かないでおくれ～」

それから急いで空港を出て電車に乗り、家に帰った。夜ということもあり、疲れることなく帰ることが出来た。

これが午前だったらと考えるとゾッとする。

「ふぅ、やっぱり家が落ち着くの…」

「んじゃ俺、先に風呂入るから。兄者は最後ね」

「え…！？」