逃げて追って、その先は【あんスタ】 (ページ27)

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122.大切だから2回言うページ27

凛月君は私から見て右側で、瀬名君は真正面でそれぞれ歌っていて。

……やべぇ。瀬名君の威圧がハンパねぇ。

何でだろ、顔は笑ってるし、他のファンに向けてるのもすばらしく素敵な笑みなのに、私に向ける目だけが笑ってねぇ。

て、あ。そういえば。

そこで私はある事に気付いたのだ。

そうそれは、凛月君にこうして会ったのに、目まで合わせたのに、あのトラウマものの記憶を思い出さなかったという事で。

いつも、私が過去に強く関わった人達にあった時や、酷い時は名前を聞いただけの時でさえ、昔の記憶を思い出していたのに、今の今までその事を忘れていたのだ。

混乱しすぎたせいか、それとも……

『まぁ今はいっか、』

そこで私は一度、考える事をやめた。

まだ斎宮や凛月君とは話せていないけれど。
やる事もあるのだけれど。それでも。

今は目の前で輝く彼らを目に、記憶に焼き付けなければならないのだから。

その一心で、私は彼らを、Knightsを見つめ続けるのだった──

「あ〜ホントKnights素敵〜!!」

「うんうん!瀬名君も鳴上君も本当イケメン!」

「えー、レオ様とか凛月様もイケメンだよ!」

「私は1年生の朱桜君推しだなぁ」

Knightsのステージが終わった今、周りの子達はすごく盛り上がっている。

主にKnightsの彼らがどれだけかっこよかったかについて。

まぁ皆がそう思うのも無理はないか。
だって性格はどうであれ、イケメンだもの。

性格はどうであれ、ね。

大切だから2回言ったよ?