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6.記憶のふち ページ7

さて、どうしたものか。


後ろには守沢君、横には羽風君がいる。


今日の私は運が悪すぎる。


自分を呪ってやりたいくらいには。


『えっと、私帰りたいんだけど』


羽「えー、せっかく久しぶりに会ったんだし、俺とデートしようよ!」


『全力で遠慮します』


羽「即答!?」


ひどいなーなんて笑いながらいう彼。


全然悲しそうに見えないんだが。


あ、だけど。


よくよく見れば羽風君も昔とどこか違う。


何だか雰囲気が柔らかくなっている。


これもやっぱり、今年度から新しく出来たプロデュース科のおかげなのだろうか。


守「なぁA、せっかくアイドル科に来たんだし、流星隊によっていかないか?」


考え事をしていた私に唐突に、守沢君はそんな事を行ってきた。


羽「ちょっと、もりっち!Aちゃんは今から俺とデートなの!」


いやいや、デートはしないがな。


けれど、守沢君は何を思ってそんなことを言ったのだろうか。


『流星隊って確か、新しく1年生が入ったんだよね…?』


守「あぁそうだ!流星ブラックにグリーンにイエローだ!あ、あとAもよく知るブルーがいるぞ!」


色で言われたって私は守沢君が赤ってことしか分からないのだが。

ていうか、


『私の知ってるブルー?』


なんで私はそこで、守沢君の言葉に聞き入ってしまったのか。


羽「ちょっと、Aちゃん!」


そう私を呼び止める羽風君の言葉に耳を貸さなかったのか。





守「あぁ、流星ブルーは3年、深海奏汰だ!!」



『ッ!!』









ーーーA、どうして『こんなこと』したんですか?



ーーーAはぼくたちのことが、『きらい』なんですか。



ーーーぼくたちは、ぼくは、Aのことが『わからない』です。いっしょにいると、Aを『うらんでしまう』……









蘇る、あの日の記憶。

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作者名:松並ゆの | 作成日時:2018年4月11日 19時

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