3.度し難メガネ ページ4
今、瀬名君は私に曲を作ってと、そう言ったのか。
何で急にそんなことを……ていうか
『私はもう曲を作ってないよ。それに今は普通科にいるんだし』
泉「それは俺も知ってる。けどアンタ、なずにゃんに曲渡してたじゃん」
全く、彼はどこから見ていたのだろうか。
けれど
『あの曲は昔の曲。今はもう作ってないよ』
作ろうとしても“あの時”の事が頭から離れてはくれないし。
私の言葉を聞いた瀬名君は、眉間にシワを寄せていて。
あ〜あ、せっかくの美形が台無しじゃん。
泉「アンタそれは「何をしている!!」」
瀬名君の声にかぶるようにして聞こえた別の声。
それもまた、私には聞き覚えのある声で。
?「ここは部外者は立ち入り禁止だぞ!」
そう言って近づく声の主は、どうやら私の背後から消ているようだ。
泉「あ〜あ、邪魔入ったじゃん」
瀬名君、それは私に言われても困る。というか、今のこの状況、とてつもなく困る。
私はアイドルと関わりたくないんだ。
?「む?そこにいるのはもしや……」
はぁ、これは諦めるしかないのか。
私は意を決して後ろを振り向いた。
?「なっ…!?」
『あは、お久しぶりだね。蓮巳君』
そう、そこにいたのはアイドル科生徒会副会長の蓮巳敬人本人で。
それはもう、大層驚いた表情をしていた。
蓮「何で貴様がここにいるんだ!!」
『何でって、瀬名君に連れてこられたんだよ』
泉「ちょっとA!!」
蓮「瀬名!お前が犯人か!!」
そう言って瀬名君に詰め寄る蓮巳君。
ふん、ざまぁみろ!私を困らせたバツだ!
慌てる瀬名君に私はベーと舌を出し、一目散に逃げ出した。
だって蓮巳君に捕まると、お説教長いからね。
泉「ちょ!A逃げるな!!!!! 」
逃げた私に気づいて追いかけてくる瀬名君。
蓮「なっ!?貴様ら度し難いぞ!!!!!」
そんな私達を見て叫んだ蓮巳君の声は、校舎の内外に響いていたとかいないとか……
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 508人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「あんスタ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：松並ゆの | 作成日時：2018年4月11日 19時
