25.Ra*bitsと練習しましょ ページ26
さてと。一通り自己紹介もしたことだから
『練習、するんだよね?』
な「あぁ、セリエに貰ってる課題曲を今日はするんだ」
私の問いかけになずなはそう答えて。彼らは練習に取り掛かった。
あ「じゃあ私達もこれ、やりましょうか」
『うん、そうだね』
これ、と言ってあんずちゃんが取り出したもの。それはRa*bitsが着る衣装で。
今日は彼らの練習を見ながら聞きながら、衣装直しをする事となっていたのだ。
ーーー
……なずな、楽しそうだなぁ
衣装をせっせと縫いながら、Ra*bitsの声に耳をすませた。
まだまだ荒削りっぽいところはあるけれど、でも聴いていてとても癒される歌声で。
自然と笑顔になる、そんな声だった。
しばらく耳を澄ませながら聴いてれば、不意にその歌声は止まってしまって。
あ「どうしたんですか?」
あんずちゃんも不思議に思い、彼らにそう聞く。
な「んー、何かここのフレーズ音が取りづらくて…」
あ「あぁそれでダンスとズレてたんですね……」
なるほど、曲の音程が分からないのか。てか、あんずちゃん縫い物しながら彼らのダンスまで見ていたのか。
さすがだなぁ。
なんて思っていれば、なずなが唐突にこちらを向いた。
な「セリエ、歌ってくれよ」
不意に、なずなはそう言った。
『はぁ!?歌えって、その曲を?』
な「そう、この曲は元々セリエの作った曲なんだし、歌えるだろ?」
真っ直ぐになずなは私を見る。
その目は1年前と違い、ちゃんと彼の意思が宿っていて。
やる気に満ち溢れている目だった。
……そんな目見たら、断れないじゃんか。
私は折れることにした。
『分かったよ。でも1回限りだからね』
曲は作れなくとも、歌うことはできるから。
私はあんずちゃんから楽譜を受け取り、ざっと目を通す。
『……はい、これ』
真「え、もう覚えたんですか!?」
『もちろん』
なずなの言う通り、これは元々私が作った曲だから、覚えているもの。
驚く真白君にそう言って、楽譜を渡し、そうして一度深呼吸。
『ーーー♪』
そうして、セリエである私は歌い出した。
1年ぶりの曲を。
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作者名:松並ゆの | 作成日時:2018年4月11日 19時