13.彼ら ページ14
天「どうってｰｰｰ」
『そのままの意味だよ、なずな。プロデュース科はその子1人でしょ?大変なんだから、昔関わってた私に話が来たの』
天祥院の言葉を遮るようにそう言えば、彼はたいそう驚いた顔をして。
な「な、だって……ここには“あいつら”もいるんらぞ…?」
“あいつら”……。
なずなはそう言って悲しそうな表情をする。
確かにまだ割り切れてないけれど、それでも私はやるしかない。だって
『なずなにね、楽曲提供してたの見られてたみたい』
な「えっ」
ほんと、抜かりないんだから、皇帝様は。
『楽曲提供する事で、アイドルと繋がってるんだからとか何とか言われてね。とにかく面倒臭いんだよ、これが』
説明がめんどくさいからハブることにした。
それに天祥院の思うつぼになってることは腹立たしいし。
『まぁだからさ、あんずちゃんとにかく宜しくね』
あ「あ、はいっ!」
少し驚いて、それでいてハッキリと返事をするあんずちゃん。
彼らが変わったのは、こんな裏表が無いところのお陰なのだろう。
な「ちょｰｰｰ!」
『あ、あとなずな。私は“セリエ”だからね』
私が宮原Aだということは伏せておけ、そう念入りに伝える。
普通科の格好の時にまで、関わりたくないから。
天「じゃあ話はまとまったことだし、さっそくあんずちゃんの補助、頼むよ」
今までの話の流れを聞いていた天祥院はそう声をかける。
『…それなんだけど、条件があるよ。私は基本、あんずちゃんの衣装作りや舞台サポートしかしないから』
あくまで曲は作らない、渡さないとこっちにも念押しを忘れることなくそういう。が、やはりかの皇帝には通じないらしい。
天「プロデュースもしてもらうよ」
すかさず口を出してくる。
『………わかった。けど、私が手伝うのはTRICKSTAR、2wink、Ra*bits、後は…紅月、この4つだけだよ。後は“無理”』
天「…いいよ。今のところはそれで。でもここにいる以上、その格好でいる以上はきっと“彼ら”とも関わるだろうけどね」
そんな天祥院の言葉は、悪魔のようなもので。
でも、私だっていい加減、過去のしがらみから開放されたい。
だからｰｰｰ
『その時は、その時だよ』
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作者名：松並ゆの | 作成日時：2018年4月11日 19時
