6.愛弟子と久しぶり ページ8
太「で、話は戻るけれど、結局Aは何をしに私に会いに来たんだい?」
『あれ、折角話逸れていたのに戻しますか、普通』
太「私に普通は通じないよ」
『そこ、どやる所じゃないですよね』
してやったり、まさにその顔をしている太宰。
何故だろう、無性に腹が立つのは。
と言うかこれ、私が話すまで太宰は折れないな。
今までの経験上、という所だろうか。
何となくそう感じてしまった。
『はぁ……言いますよ、言えばいいんでしょう。太宰に会いたかったら会いに行ったんです。駄目でしたか』
観念して私は素直にそう言った。
太「ふふふ、最初からそう言っていればいいのに、Aは相変わらずだね。あ、これがまさにツンデレというやつだね!」
『違いますから!というか何処でそんな言葉覚えたんですか!!』
きっと今の私は顔を赤くしている事だろう。
マフィアの人間が今の私を見れば、いつも貼り付けた笑顔の私の、あまりの変わりように驚く事だろう。
太「まぁそれはさておき。本当に久しぶりだね、A」
すると、私の事を散々からかった太宰の声が、先程までより優しいものになった。
『はい、お久しぶりです』
それに伴い、私も言葉を返した。
太「暫く見ない内にまた大きくなったね……色々と」
『太宰、それ私相手じゃ無かったら通報されてましたよ』
ジト目で見れば後免と笑いながら返ってくる。
まぁ何時もの冗談だから私も本気にしてないけれど。
太「ふふ、今日はマフィアも探偵社も関係ないよ。無礼講、というやつだね。昔の話をしようじゃないか」
『……そうですね、私も太宰と話したいこと色々とあるんですよ』
その言葉を合図に、私達は話しをした。
昔、私が太宰と中也君に拾われて、救われた頃のように。
夜が開けるまでずっと話した。
会えなかった時間分を埋めるように………
中「…………………」
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作者名:松並ゆの | 作成日時:2018年2月26日 23時