262.月の恩返し ページ30
月｢楽しかったなぁA!｣
持ち歌の1曲を丸々歌いきり、私とレオ君はステージからはけてきた。
『そうだね!やっぱりレオ君の曲は最高だよ!』
月｢そうだろそうだろ!ワハハハハ!!!｣
ひとしきり笑いあって、そうして2人揃ってステージを見る。
今は私達の次の組、つまりは瀬名君たちのユニットで。
あ、瀬名君、守沢君にポーズ迫られてるし(笑)
すっごく嫌そうな顔してるけど、結局してあげる瀬名君は優しいなぁ。
ちなみに瀬名君が流星シルバーで、薫君が流星ゴールドだって。言わずもがな、レッドは守沢君だからね。
あと付け足していうなら、彼らが今歌ってる曲もレオ君の新曲。ていうか、今回の曲ってほとんどレオ君描き下ろしだしね。
さすがインスピレーションの王様だ。
月｢……｣
そんなレオ君はステージ上の彼らを見つめたまま微動だにしない。
ううん、きっとレオ君が見つめてるのは、瀬名君ただ1人なんだろうけど。
でもほんと
『瀬名君たち、楽しそうだねぇ』
月｢あぁ、やっぱりセナは笑ってるともっと綺麗だな。
………なぁA、俺はちゃんとセナに恩返しできてるかな?｣
『え?』
唐突に、目線はステージから逸らすことなく、レオ君はそうポツリと呟いた。
恩返し……
それに思い当たるのは、1年前、まだレオ君が壊れる前の事ｰｰｰ
ｰｰｰ俺、セナにはすごく感謝してるんだ。セナのおかげで俺は今、好きなだけたくさん曲を作れてる。セナは俺にインスピレーションを与えてくれるんだ!
だからそんなセナに恩返ししたいんだよなぁ〜。何かいい方法ないかな〜。
いつかのレオ君はそう呟いていたけれど。
私がそれに応える前に、天祥院によるあの革命が起きてしまった。
そのせいで今までレオ君による瀬名君への恩返しはできていなかった。だから今になってレオ君はこんな事を言ってきたのだろう。
けどまぁ、
『それは瀬名君見ればわかるじゃん』
答えはもう明白だ。
『瀬名君、すっごく楽しそうじゃん。それってまぁ守沢君とか薫君とかとステージに立ってるっていうのもあるかもだけど、でも一番はレオ君の曲を歌えてるからじゃないの?
瀬名君、レオ君の曲が一番好きだからね』
月｢そっか……Aから見てそう思うんならよかったよ…｣
そう言ったレオ君の表情は、とても優しいものだった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 689人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「あんスタ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
日和 - 最後まで読みました！もうすっごい素敵でした！番外編も読みたいです！待ってます！ (2020年2月4日 9時) (
レス) id: 972516cad5 (このIDを非表示/違反報告)
松並ゆの(プロフ) - 日和さん» ありがとです！物語ももうクライマックス、最後までお楽しみ下さい♪ (2020年1月29日 18時) (レス) id: c69e9f8b84 (このIDを非表示/違反報告)
日和 - すごく面白いです！続きがとても楽しみです！ (2020年1月29日 14時) (レス) id: 972516cad5 (このIDを非表示/違反報告)
松並ゆの(プロフ) - 白雪さん» コメントありがとです!時間はかかりますが、ちゃんと更新しますのでもう少しお待ちください…♪ (2019年11月6日 22時) (レス) id: 5fc703e917 (このIDを非表示/違反報告)
白雪(プロフ) - 面白いです!更新待ってます! (2019年11月5日 0時) (レス) id: 567a821487 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：松並ゆの | 作成日時：2019年3月8日 23時
