12年越しのラブレター__sgi. ページ35
( sugai side. )
俺がまだ京都に住んでいた頃、『 駿ちゃん！ 』って、毎日しっぽを振って付いてきてた、隣に住んでた5つ下のAという女の子がいた。
ずっと一緒にいたかったのが本心だけど、俺が学校の都合で引っ越さないといけなかったから、その事を告げると泣きじゃくってたっけ。
Aはその時まだ11歳で、俺が16歳。
俺が高校生でAが小学生。
当時、手を出そうものなら犯罪級だったんだけど、大人になった今では5歳差なんて誤差だ。
久しぶりに京都に帰ると、変わらない街並みや匂いに懐かしさを感じた。
地元って落ち着くものなんだな、やっぱり。
須貝駿貴もう家帰るよ
そう、母親に連絡を入れると、なんだかよく分からないキャラクターがサムズアップしているスタンプ。
｢ …ふは、なんだよこれ ｣
・
トーク画面を閉じて、お尻のポケットに携帯を入れた時、俺の隣を横切った一人の女の子。
……懐かしい匂い。
｢ …A？ ｣
と、自然と口からそんな言葉が漏れていた。
俺の5歩先に立っている女の子はゆっくりと振り返って、大きく目を見開いた。
『 ……駿ちゃん？ 』
｢ え、やっぱりAだよな？本当にAなの？ ｣
『 …うん、A… 』
そう、優しく笑ったA。
Aの笑顔は何年経っても変わらない、あどけない笑顔。
｢ え、嘘、めっちゃ綺麗になってんじゃん ｣
『 えー？褒めても何もでーへんよ？ 』
京都弁混じりの言葉も、全く変わっていなかった。
｢ …本当久しぶり、A、いくつになったの？ ｣
『 今？23歳。 』
｢ …23かぁ……あんなに小さかったのにな。 ｣
『 駿ちゃんは？…私の5つ上やから……28？ 』
｢ そう、もう俺も三十路手前だよ… ｣
『 そっかぁ、もう駿ちゃんも… 』
・
『 良かったらさ、家上がっていかん？久しぶりやし、お話したい。 』
｢ いいの？ちょっと待ってな、実家に顔出して荷物置いたら行くわ。 ｣
『 うん、待ってる。 』
Aにヒラリと手を振ると、Aも遠慮がちに振り返してくれた。
一番記憶に残るのが匂い、って本当だったんだな。
・
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アルコン型(プロフ) - こんばんは！いつも楽しく読ませて頂いています（*＾-＾*）最高の作品ばかりで何度も読み返しています。厚かましいとは思いますが、リクエストしても大丈夫でしょうか？(´・ω・｀) (2019年12月29日 22時) (
レス) id: 7d2d99b638 (このIDを非表示/違反報告)
サツラ(プロフ) - Rika1722さん» うわー、嬉しいです（ ; ; ）素敵な夢が見られるような小説が書けていたら幸いです！！ (2019年9月12日 15時) (レス) id: e4eef8aaeb (このIDを非表示/違反報告)
Rika1722(プロフ) - 最高です…。寝る前に読ませていただいています！いい夢が見れる気がして笑 (2019年9月12日 0時) (レス) id: a257df45f5 (このIDを非表示/違反報告)
サツラ(プロフ) - まっちゃさん» 嬉しいです(>_<)ありがとうございます！これからもよろしくお願いします！ (2019年9月8日 23時) (レス) id: e4eef8aaeb (このIDを非表示/違反報告)
まっちゃ(プロフ) - 短編集も最高ですっ！これからも楽しみにしてます(^^) (2019年9月6日 21時) (レス) id: 6d7b57be72 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サツラ | 作成日時：2019年9月5日 22時
