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『 ごめんね祥彰くん、時間作ってもらっちゃって。 』
｢ ううん、全然だよそんなの！ ｣
『 これ、今年も受け取って欲しくて。 』
｢ ……バレンタイン？ ｣
『 …そう、ごめんね、重い女で。 』
祥彰くんに紙袋を差し出すと、少し眉を下げてへらっと笑った。
｢ …ありがとう、嬉しい。 ｣
『 …ううん、受け取ってくれてありがとう。 』
｢ …Aちゃん、さ。 ｣
『 ん？ 』
｢ バレンタイン、他に誰かに渡した？ ｣
『 いや…祥彰くんだけ…だけど。 』
｢ そっか…そうなんだ。 ｣
さっきから祥彰くんの様子がおかしい。
目が泳いでて、挙動不審…というか、何というか。
私が『 祥彰くんだけだよ 』と言った時には、ただの思い違いかもしれないけれど、ほんの少しだけ強ばっていた顔も、ほっとした表情を浮かべたような。
『 じゃあ、これで… 』
小さく手を振って祥彰くんに背を向けると、腕を引かれて、私は暖かい何かに包み込まれた。
暖かい何か、は、もちろん祥彰くん。
『 …え、ちょっと祥彰くん…？ 』
｢ …あの、さ… ｣
『 なに…？ 』
｢ 去年言ったこと、取り消したい ｣
・
｢ ずっと友達、って言ったこと。 ｣
『 確かにそんな事言ってたね。 』
なんて、強がってそう言ったけど。
その言葉を一度も忘れたことはなかった。
祥彰くんは何とも思わず言ったことなんだろうけど、その時の私は心に何本も針を刺された気分だったから。
｢ もう今更遅いかもしれない。去年は本当に…そういうの考えられなくて…断っちゃったんだけど……今はどうしようもなくAちゃんが好きで… ｣
『 …っ冗談きついよ祥彰くん… 』
｢ 冗談じゃないよ、真剣だよ。 ｣
私を抱きしめる彼の背中に手を回すと、祥彰くんはより一層抱きしめる力を強めた。
｢ 今度は僕から言わせて欲しい ｣
・
｢ Aちゃんが、好きです ｣
と、一年前の私と同じ言葉を、祥彰くんは紡いだ。
｢ …遅くなってごめん ｣
『 ……っ 』
｢ 僕の彼女になってください ｣
彼の腕の中で静かに頷くと、ゆっくりと私を離して、額にキスを落とした。
…あぁ、諦めない事って大事なんだな。
一人の人を想い続けるって大事なんだな。
甘くて、苦くて。
でもやっぱり甘い。
・
12年越しのラブレター__sgi.→←甘くて苦くて、甘い__ymmt.
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アルコン型(プロフ) - こんばんは！いつも楽しく読ませて頂いています（*＾-＾*）最高の作品ばかりで何度も読み返しています。厚かましいとは思いますが、リクエストしても大丈夫でしょうか？(´・ω・｀) (2019年12月29日 22時) (
レス) id: 7d2d99b638 (このIDを非表示/違反報告)
サツラ(プロフ) - Rika1722さん» うわー、嬉しいです（ ; ; ）素敵な夢が見られるような小説が書けていたら幸いです！！ (2019年9月12日 15時) (レス) id: e4eef8aaeb (このIDを非表示/違反報告)
Rika1722(プロフ) - 最高です…。寝る前に読ませていただいています！いい夢が見れる気がして笑 (2019年9月12日 0時) (レス) id: a257df45f5 (このIDを非表示/違反報告)
サツラ(プロフ) - まっちゃさん» 嬉しいです(>_<)ありがとうございます！これからもよろしくお願いします！ (2019年9月8日 23時) (レス) id: e4eef8aaeb (このIDを非表示/違反報告)
まっちゃ(プロフ) - 短編集も最高ですっ！これからも楽しみにしてます(^^) (2019年9月6日 21時) (レス) id: 6d7b57be72 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サツラ | 作成日時：2019年9月5日 22時
