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ねぇ、聞いて__mzkm. ページ22

「 ねぇ 」

『 ん? 』



私が勉強をしていると、いつも横に座って私を見つめてくる。
一つ下の、水上颯くん。


「 Aさんはさ、好きな人と遊びに行くのって、どこまでがセーフだと思う? 」

『 付き合ってない子? 』

「 うん 」


『 うーん…ご飯なら友達とでも行けるし……旅行は恋人としか行かないし…2人でイルミネーションとかじゃない? 』


「 イルミネーションかぁ…いいね、それ 」




そう言って、歯を出してニコッと彼は微笑んだ。


『 誰か誘うの? 』

「 うーん、まぁそんなとこ。 」

『 ふぅん、頑張ってね 』



少し胸がチクチクするのは、目の前にいる水上くんには絶対に言えない。
こんなにも嬉しそうに笑う彼を見ると、何も言えなかった。



「 Aさんは、彼氏とか作らないの? 」

『 そんな簡単に彼氏ができたら世の中そんな苦労しないよ。 』

「 そっか。 」










さっきまでは人がいたはずなのに、いつの間にか人は誰もいなくなっていて、シャープペンシルとノートが擦れ合う音、時計の音が響く。

そして、微かに水上くんの息の音が聞こえた。




『 水上くん、いつまでここにいるの? 』

「 んー、Aさんが僕に振り向いてくれるまで? 」

『 は、それってどういう… 』



いきなり、私の心臓の音が早くなった気がした。

すると、水上くんは私の手首をぎゅっと掴んで、自分の胸に押し当てた。



「 分かる?めっちゃドキドキしてる、僕 」

『 …うん 』



水上くんに真っ直ぐ見つめられて、まじまじと見たことのなかった彼の顔を見ると、頬に熱が集まるのが自分でも分かった。

目を閉じて一呼吸置いた後、彼はまた私の目を見つめた。




「 ねぇ 」

『 ……ん? 』







「 一緒に行こうよ、イルミネーション 」





真っ赤な悪魔__fkr.→←・



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アルコン型(プロフ) - こんばんは!いつも楽しく読ませて頂いています(*^-^*)最高の作品ばかりで何度も読み返しています。厚かましいとは思いますが、リクエストしても大丈夫でしょうか?(´・ω・`) (2019年12月29日 22時) (レス) id: 7d2d99b638 (このIDを非表示/違反報告)
サツラ(プロフ) - Rika1722さん» うわー、嬉しいです( ; ; )素敵な夢が見られるような小説が書けていたら幸いです!! (2019年9月12日 15時) (レス) id: e4eef8aaeb (このIDを非表示/違反報告)
Rika1722(プロフ) - 最高です…。寝る前に読ませていただいています!いい夢が見れる気がして笑 (2019年9月12日 0時) (レス) id: a257df45f5 (このIDを非表示/違反報告)
サツラ(プロフ) - まっちゃさん» 嬉しいです(>_<)ありがとうございます!これからもよろしくお願いします! (2019年9月8日 23時) (レス) id: e4eef8aaeb (このIDを非表示/違反報告)
まっちゃ(プロフ) - 短編集も最高ですっ!これからも楽しみにしてます(^^) (2019年9月6日 21時) (レス) id: 6d7b57be72 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:サツラ | 作成日時:2019年9月5日 22時

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