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追い込む ページ12
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「はい、じゃあレントゲン撮りますからね〜」
今日はついに検査が始まる日。
昨日は深雪となんとなく雰囲気が悪くなってしまったから帰ってもらった。
母からは電話が来た。
声色から心配の気持ちが伝わって、なんとなく申し訳なくなった。
母さんも大変なのに、自分は入院。
親不孝もいいところだ。
レントゲンを撮り終わり、
「それじゃあ結果を待っててね。」
と言われ病室へ戻る。
途中で無邪気な子供たちを見つけた。
子供の遊び場所でボールを転がしたり、積み木をしたりして楽しむ子供が羨ましかった。
あの子供たちみたいに走りまわりたい。
遊びたい。
居場所を手に入れたい。
消毒液の匂いがするベット、隣のベットから漏れるテレビの音、窓から見える高校生。
初めての感覚に戸惑いを覚えた。
戸惑っているのは私だけじゃない、深雪も母さんも戸惑ってる。
私が部活に入っていたら多分その仲間も戸惑ってるはず。
ああ、でも入院してることを話していないだろうけどな。
もわもわと考えている内に結果が出てしまったようで、
それは、少なくとも私を、
絶望に追い込むには十分すぎた。
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作者名:浅葱。 | 作成日時:2017年7月21日 18時