その恋は甘いハート (ページ12)

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スカートを履いていることはいつものことで、特に気にしたことはない。
いきなりどうしたんだろ。

「短すぎて他の奴に中身見えたらどうすんだよ」

『見えても別にいいけど』

「良くねーよっ！中見てもいいのオレだけじゃん」

『このくらいの長さが可愛くない？』

「めっちゃ可愛い。可愛いけどさ！」

可愛いならいいんじゃないの？
エースは何を言いたいんだろ……あ、もしかして。

『……ムラムラ、しちゃった？』

挑発するように下から覗き込んで言えばエースはゴクリと息を呑むと、持っていた雑誌をテーブルの上に雑に置く。

「……した。したから責任とってよ」

エースに体重をかけられた私は背中からソファーに沈む。
ネクタイを緩めながら熱の籠った目で見つめてくるエースに、胸がドキッと鳴る。

『どうしようかな。だめって言うのはあり？』

「ナシ。先に煽ったのはAだかんな」

頷く前からリボンを解いてブラウスのボタンを外していくエースの頭に手を伸ばす。

「…………いいよ」

微笑みながら伝えると、口に熱い唇が落とされた。
角度を変え深く重なる唇を、私は吐息を漏らしながら受け入れる。

「A……」

私の名前を呼ぶ愛しい人。

いつか終わりがくるとわかっていても、もう一度信じたいと思わせてくれた人。

今日もあなたの温もりに包まれる。

幸せが壊れる音がすぐそこまで近づいていることに

私は気づかないフリをしていた。

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