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【及川徹】マーガレットの告白・1 ページ1

*


また春になる。

暖かい日差しが街中を照らす中、体育館の扉を開けた。熱気が篭っていた体育館に、僅かに風が入る。

私がそうして空を見上げていると、それに気づいたのか岩泉さんが声を上げた。


「……じゃあ、そろそろ休憩するか」

「「はい!!」」


時々気怠い返事も混ざっていたけど、休憩には誰しもホッとする。

私は慌てて、自分の仕事を果たすべくボトルケースに駆け寄った。


*


その場にいる部員全員にボトルを渡して、ふうと息を吐く。各々、思い思いの姿勢で休憩をしていた。


あと数日で、一年生が入学してくる。そうしたら私も晴れて高校二年生だ。
一年生の春からこうしてやってきたマネージャー業だけど、慣れてきたのか楽しいと思えるようになってきた。

――今年は全国に行く。


部長の及川さんは主将会議で出払っているから、今実質的にこの場を仕切っているのは岩泉さんだった。
三年生は仲が良い。及川さんがいないからか、どことなくのんびりしたムードが、……あったりなかったり。


「A、これ」

「あ、はい」


矢巾君から空になったボトルを受け取る。代わりにタオルを差し出したら、サンキュ、と言われる。


それからはボトルを受け取ったりなんだりして、そろそろ休憩時間も終わりという時。

持ち上げたケースが思ったより軽くて驚いていたら、すぐ近くの三年生の会話が聞こえてきた。


「今年は一年多いだろうな」

「さあ……。まあ、いつも通りに勧誘やるべ」

「そうだな」


何故か、少し視線を感じた。まあ背中だし、と気を取り直して再度ケースを持ち上げる。今度はふらつかなかった。

花巻さんの声が聞こえる。


「今年はマネージャー勧誘はいいだろ、Aがいるし」


続いて松川さんの声も。


「そうだな、まあAは及川目当てとかでもなかったし――」



その後は、何が起こったのか本当にわからなかった。

ただ、私の手からボトルケースが滑り落ちて、変な音がして、どうやら落ちたケースがそのまま私の足の上にゴツンと――。

マーガレットの告白・2→



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設定タグ:ハイキュー!! , HQ!! , 短編集   
作品ジャンル:アニメ
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スマトラ島のラフレシア(プロフ) - ★マチャキ★さん» 好きだったらだいたい書いてますよー。 (2016年7月20日 19時) (レス) id: db820b405d (このIDを非表示/違反報告)
★マチャキ★ - 照ちゃんあった!! (2016年7月19日 20時) (レス) id: a549331ee4 (このIDを非表示/違反報告)
スマトラ島のラフレシア(プロフ) - 彗華@京都へ行きたい (元:凰華)さん» そしてお察しの通り、及川さん大好きです。色々書きたくなるので、最初と最後に入れてるだけなんですけどね。前作も前々作も読んでくださってありがとうございます!更新頑張ります!! (2016年4月18日 18時) (レス) id: db820b405d (このIDを非表示/違反報告)
スマトラ島のラフレシア(プロフ) - 彗華@京都へ行きたい (元:凰華)さん» コメントありがとうございます!とんでもない、長文コメント最高に嬉しいです…!!私も実は「この続き書きたいなぁ」なんて毎回思ってまして、うーん……したい、ですねぇ……(笑) (2016年4月18日 18時) (レス) id: db820b405d (このIDを非表示/違反報告)
彗華@京都へ行きたい (元:凰華)(プロフ) - 前作、前々作を見て思ったのですが【及川さんで始まり及川さんで終わる】というループみたいなものが出来ているように感じました。作者様は及川さんが好きなのでしょうか?更新頑張ってください。応援しています!(長くなってしまいすみません) (2016年4月17日 22時) (レス) id: 4e64820097 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:スマトラ島のラフレシア | 作成日時:2016年4月14日 18時

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