ep.1「来なくなったマネージャー」 ページ1
あれは、なんの努力だったんだろう。
なんの為の努力だったんだろう。
皆んなの為だ。
一生懸命に、只管、ボールだけ見る彼らが、カッコよくて、言葉に出来ないくらい凄かった。
サーブもレシーブもスパイクもセットアップもブロックもバレー部初心者で、分かっていなかった私でもその凄さが分かるくらいに。
神がかっていた。
そうか、あれはもう二年前。
私は、元々写真部で写真を撮るのが好きだった。
でもこの高校の写真部は数年前に廃部し、なくなっていた。
途方に暮れた私は、学校中を歩き回った。
首に、一眼レフカメラを下げて、トボトボと歩く。
それまでに色んな部活の写真を撮った。
サッカー、バスケ、陸上、弓道、野球、テニス、バドミントン、文芸部に美術部、映画部、色んな部活を撮った。
(映画部に至っては、内容も見せてくれて、結構仲良くなり連絡先まで交換した。)
まだ、そんなに日にちも経っていないのに、仮入部の一年生もその部に慣れ始めていた。
(……羨ましいなぁ)
なんてちょっと、思ったり思わなかったり。
そんなこんなで最終的に、体育館に戻ってきた。
というにも、青葉城西の体育館は第一第二で分かれており、私は今、第一に来ている。(バスケなどは第二)
その時、私の目の前を物凄い勢いで、ボールが走った。
(…え?)
もう、それを言葉にするには、遅すぎるくらいに。
私はもっと近くで見たものを確認する為に、体育館の扉に駆け寄った。
そこには、誰よりも早く、ネットを立ち上げて、誰よりも早く練習している男子が二人。
ここは、多分、バレー部だ。
青葉城西のバレー部は確かそれなりに強豪だった気がする。
なんて思っていると、
?「なになにキミーもしかして、こんなに早く来て及川さんを撮りたいわけー?」
?「おいこらクソ川!!一々女子に絡むんじゃねぇ!!!」
と、クソ川と叫ぶ男子はもう一人の男子の後頭部にバレーボールをぶつけた。
「そう、二人を撮りたい!!」
及川・岩泉「「は?」」
「撮らせてよ!二人を!」
及川「キミ、名前なんて言うの?」
「Aよ!流山(ナガレ)A。よろしく。及川くん」
私は手を差し出す。
及川「え、あ、うん」
その手は握られた。
「因みに、そっちにいるのって、岩泉くんかな?
さっき誰がサーブかスパイクか分からないけど打ったの?とても凄かった!
私、二人を撮ってみたいわ」
きっと、この一眼レフは、二人を綺麗に写してくれる筈だから。
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水無月のぞみ - あのグズさっさといなくなればいいのに! (8月3日 19時) (レス) id: ba8b16685c (このIDを非表示/違反報告)
うさぎりんご - あの!このお話はもう更新しないのですか?失礼を承知なのですが続きがとても気になります…もしよければ続きを書いていただけませんか? (2022年3月24日 18時) (レス) @page8 id: 5a928aef25 (このIDを非表示/違反報告)
(o´・ω・`o)(プロフ) - めっちゃ気になるとこで終わった……続き楽しみだったのに… (2021年5月5日 16時) (レス) id: 1f4799768f (このIDを非表示/違反報告)
ワグマン - 終わってまうんですか、もっとみたいです(* >ω<)応援してます(*^^*) (2020年8月11日 12時) (レス) id: d570b5d827 (このIDを非表示/違反報告)
おかか - え〜!ここで終わり何ですか?続き見たいです!更新頑張ってください!応援してます!! (2020年6月25日 18時) (レス) id: 0ecde9d0b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:チェスト | 作成日時:2020年1月3日 2時