さよなら青春、さよなら木兎さん。【赤葦京治】 -完-

さよなら、日常。 ll ページ6

＊赤葦side

木兎『そんでさ、赤葦にもメッセージ書いて欲しいんだけど！』

赤葦「え？
俺がですか？」
木兎「そう！
あかーしに絶対書いてもらおうって思ってさ！」

そう言って卒アルの最後のページを開けた木兎さん。
そのページには沢山メッセージが書いてあった。
「おめでとう」や、「バイバイ」とか。
「これからは別々の道だね」とか。
沢山のメッセージが書いてあった。
きっとクラスメイトに書いてもらったんだろう。

でも、右のページの真ん中だけ大きなスペースがあった。

木兎「そこにあかーしメッセージ書いて！」

そう言ってネームペンを出した木兎さん。
俺は差し出されたネームペンを手に取り、キャップを外して考えた。
どう書けばいいのか迷ってしまう。
悩んでしまう。
書けない。
書いてしまったら木兎さんが遠くに行ってしまいそうで、怖い。
不覚にもそう思ってしまう自分がいる。

木兎「どうした？
あかーし？」
赤葦「あ、いえ、…なんでも」

ペンを滑らせた。
すらすらと出てくる言葉達。
でも、卒アルには書かなかった。
この思いは俺だけが知っていればいい。
それだけでいい。

赤葦「書きましたよ、木兎さん」
木兎「マジで？！
ありがと！あかーし！」



__________________________________________

木兎さんへ。

御卒業おめでとうございます。
二年間、ありがとうございました。
アナタにトスを上げることが出来て良かったです。

赤葦京治。

__________________________________________





なんか、卒アルにメッセージを書くと、本当に卒業してしまうんだなという気持ちが俺を覆い尽くしていった。

さよなら、青春。
さよなら、木兎さん。



さよなら、日常。

さよなら、夜明け。→←さよなら、日常。

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す