/ 邪 魔 者 / A.D Y.R

33call ページ33

→Yamada side






山田｢また来ちゃいました｣







『2日連続…忙しいんでしょ？』








また呆れた顔を見せられる。


元気づけようと、いつも来ているつもりなのに、

もう必要ないかな。








山田｢今休憩タイムだから｣








『お弁当は売ってない』









そんな馬鹿じゃない。

雑貨屋にはお弁当はない。








山田｢今日大ちゃん機嫌良いんだけど｣








嘘。

今日は会ってない。


こうでも言わないと、近況を教えてくれない。






『機嫌いいの？』







嬉しげに聞くAさん。

なにかあったのか。








山田｢昨日大ちゃん来たの？｣








『まぁ、会ったっちゃ会った』








山田｢で？｣








他のお客さんのレジ打ちをしながら、
横から聞く。


横のお客さん、迷惑そう。








『で？』








山田｢なにしたの？｣








隣のお客さんとコミュニケーションを取りながら、俺に向ける目だけは怖い。








『送ってもらった』








山田｢それで？｣








『肉まん食べた。それだけ』









肉まん食べたってところが怪しい。


真顔で対応しているつもりなのか
俺の目をみようとしない。








山田｢あっそう。じゃこれ頂戴｣








『昨日と同じでいいの？』








昨日買ったキャンドル。

家にいくつかあっても悪くないと思うけど。








山田｢ほんとは、Aさんも買いたいとこだけど｣








『キャンドル、1個1500円』








山田｢たっか！値上げすんな！｣








半分以上値上げされ、
調子に乗ってすいません、とお金を出す。








『はい。おつりー、とこれ。』








お釣りを渡されたあと、
ポケットからなにか探り出す。


そして出てきたのは飴。








『いちご、好きなんだっけ？』








いちご味の飴を渡され、
キャンドルも渡される。








『また来てね』








そう微笑むA、さん。

34call→←32call

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す